2019年09月06日

水乃博士の「水と緑の話」 里芋の花

里芋の花が咲くとき

水乃博士は、昔ジャガイモの茎から生分解性素材を作る開発に取り組んだことがあったので、芋類には詳しいつもりでいたが、最近の報道で見た里芋の花は、実際に見たことが無かった。どうやら、気象条件とともに、親芋の大きなものを種芋にして育てると、花が咲きやすいらしい。開花は、日照時間の長短が一般的な条件であるが、どうやらこの熱帯系のタロイモの類は短い日照で開花する。

 植物で花が咲くということは、何らかの子孫残存を図る目的だと思うし、そこで種子もできると考えるのだが、どうもどちらも無いらしい?? 単に、黄色いカラー(カラーもサトイモ科の植物)のような花をつける。
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 里芋(学名;Colocasia esculenta、食用にも飾りにもなる食べ物の意味)。芋本体の美味しいのはおいて…、茎を食することがある。芋茎(瑞饋)、芋がらと言って、蓮芋、ヤツガシラ、セレベスなどの黒っぽい太い茎部分が美味しいらしいので、ぜひ自分で作って食べてみたいと思った。

 里芋はこれからが旬なので、いろいろと調理して食べたいものだ。ああ、山形での芋煮会が懐かしいなあ〜。


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2019年08月05日

水乃博士の「水と緑の話」 マイクロプラスチックとは何だ(その2)

マイクロプラスチックとは何だ(その2)

どうやら人類は、これまでに自然界でできてきた粒子類;簡単には砂、土、ガラス粒、岩石のかけらなどに新しく、プラスチック粒子というものを加えてしまったようです。博士のような水処理技術者にとっては、水中にある固体微粒子に新しい種類が増えてきたと考えます。つまり、水処理における汚染物としての除去処理対象が多くなったのです。
人類にとって、いや全生物にとって、この粒子;マイクロプラスチックは有害なのかどうかは、その大きさと溶媒液に対する溶解性次第といえます。おそらく、一般的な河川水、海水では、溶解することなく固体粒子でしょうが、そこにオイル、油脂が混ざると溶解する可能性があり、脂溶性有害物としてホルモン的な作用をすると推察されます。
大きさの話は、単純に言えば、のどに詰まるか、息を吸えなくなるような大きさであるか、膜状で気道、食道を閉鎖するほどのものか、といったことで、有害性というよりも、物理的な閉塞を引き起こすことが問題でしょう。
 では、例えば日本の河川にどのくらいのマイクロプラスチックがあるのか、データがありました。
マイクロプラスチック河川での汚染量.jpg

2019年6月週刊朝日より

多いところで、3ppbのプラスチック粒子汚染があるという報告です。
 さて、ここから水処理科学的に評価をすると、従来はSS(県濁粒子)という分類でおよそ数十ppm が処理されていたところにさらに3ppbの軽量プラスチック粒子が混ざりこんでいます。SS全体量の0.01%程度ではないか…、だからこれが大したものではないと考えるべきかどうかなのです。
 そこで、以下の報告があります。(DOWAエコジャーナルHPより)
「東京湾で日干しになるカタクチイワシの64匹を調べると、49匹からマイクロプラスチック片が見つかった。1匹当たり平均で2〜3個、最大で15個。大きさ1ミリ以下のポリエチレンやポリプロピレンの破片が80%以上を占め、マイクロビーズや化学繊維もあった。」

これが、いわゆる生物濃縮であり、食物連鎖の怖さです。1o程度のビーズ(比重0.5と仮定)が10個、イワシ15gに含まれるとすると、そこでは約260ppm(川からの濃縮率は約87,000倍) のマイクロプラスチックを我々は食べていることになります。
イワシの内臓を食べることはやめた方がいいのかもしれませんね。

 次に、食塩についてです。
「世界の21の地域で作られた39のブランド塩のうち、36種類からマイクロプラスチックが見つかった。1キロ当たり506個の量。最も多く含まれていたのは海塩。次いで湖塩、岩塩の順。毎日10グラムずつ塩分をとるとすると、年間で2千個近いMPを体内に取り込む計算になる。」
塩というのは、どんな食品にも含まれており、欠かせない要素です。それが506個/kg!
つまり、約199ppmのプラスチックを含む塩を日常的に我々は口にしています。
プラスチックですから、体内に多くが蓄積するとも考えられず、即毒性につながるとはいいがたいにせよ。すでに知らずに食べているというのが嫌な気分になります。
どうしたら食塩からプラスチックを除けるのか…、水に塩を溶かしてからフィルターろ過して塩水として使うぐらいしか一般的にはできそうにありません。
これが、すぐにわかる現状のマイクロプラスチックの汚染というものです。
 
次回は、おそらくプラスチックごみ処理の在り方などを話していきたいと思います。

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2018年11月15日

水乃博士の「水と緑の話」 紅葉と気温の関係

紅葉と気温の関係

水乃博士が上海に来て、秋なのにあまりきれいな紅葉が見られないことに不満である。
まず、カエデ系の立木があまり多くない。理由は、病虫害に強くないからだとわかっているが。
確かに周辺の平均気温は下がってきたが、たぶん紅葉に十分な環境になっていないのだろう…
ということで、今回の博士のお話は紅葉と気温の関係について、としましょう。

(上海市内の紅葉の様子、2018年11月13日撮影)
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紅葉の三大要素 ; (季節の見逃せない情報Follow nao参照) 
@ 最低気温が8℃以下になると紅葉が始まる 
A 最低気温が4℃以下になると紅葉が加速
B 春から夏にかけての日照時間は紅葉の鮮やかさに影響
気温の寒暖の差が大きくても、最低温度が8度以下にならなければ、紅葉はあまり進まない。また夜間の気温がおよそ8度を下回ると紅葉が進むが、さらに下がるほどに紅葉する。
夏に日照時間が多いと、紅葉の色を出す色素のもとになる糖分を生成する光合成が活発に行われる。
(Trill より )

(2017年11月、小浜の明通寺庭園)
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そして、紅葉が発生するメカニズムは以下の通り。
植物の葉の色を決める色素成分は、主に緑色のクロロフィル(葉緑素)、黄色のカロチノイド、赤色のアントシアニンの3つからなっている。
植物の葉には緑色のクロロフィル(葉緑素)と、黄色のカロチノイド(カロチン類とキサントフィル類)があるが、夏は光合成が活発に行われるためにクロロフィルがずっと多くて、葉は緑色に見える。しかし秋は気温が低くなるため光合成の働きが弱まり、クロロフィルが分解されて、カロチノイドの色が目立ち黄色くなる。イチョウやポプラのような落葉樹の葉が秋に黄色になるのはそのためです。(”紅葉と気象条件の関係 SKYDATA)

寒くなってくると、葉柄の付け根にコルク質の離層という組織が作られるために、葉の中の物質は茎に移動しにくくなり、光合成で生産された糖が葉に留まる。この糖からカエデなどでは赤い色素アントシアニンが形成されて葉は赤くなり、その後、葉は離層のところで切り離されて落葉する。
気象庁の定義では、各地方の気象台エリアに標準木を定めて、その木の葉の約8割が紅葉した最初の日を「紅葉日」、約8割が散った日を「落葉日」としているとか。

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ということで、現在の上海の気候ではまだ8度を大きく下回っていないので、カエデの葉の中のアントシアニンが十分に発色しておらず、きれいな紅葉になっていないということです。しかし、日中平均気温は20℃をすでに下回り、乾燥(栄養の濃縮)も進んでいるので、そろそろと期待していたものの、どうやら枯れと落葉が先に進行するのが例年のようです。
今年は、12月末に帰国となると、博士は大好きな紅葉の景色を見ることができそうにないということ、残念ですね…

ちなみに、楓の花言葉は、
調和。  美しい変化。 大切な思い出。 遠慮。 節制、自制。  とのことです。


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2018年08月22日

水乃博士乃」「水と緑の話」 バイオマスプラスチックにフェノール?

バイオマスプラスチックにフェノール?

水乃博士は、生分解性材料の研究開発に6年間(農水省、山大、長大)をかけた時があったが、成果は乏しかった。理由は、ごく単純に石油製品との価格競争力が無いためだった。そのために、生分解性まがいのプラスチックや、誤った混合プラの使用、グリーン製品という表示の濫用、使用すべきでない分野への生分解性素材応用など、現在までかなりの苦渋の段階を経てきている。

近年、ようやくプラスチックストローの問題が波紋を投げかけ、マイクロプラスチック汚染の状況がひどいことに、多くの人が気付くことになった。そこで、また生分解性素材が見直されてきたのだが、この汚染を防止すべくバイオマスプラスチック材料というものに対して、何か求めている姿に違和感があるようだ。

*1.原料が不可食のバイオマス資源であること。 
*2.微生物による発酵、酵素反応、菌体活用などによる生産。 
*3.生産条件が、環境負荷の小さいこと。
*4.生産物が、生分解性であること。
*5.生産物は、簡易な操作により環境に影響のない物質になること。

原料が草木類、あるいは廃棄物の主に糖類、セルロース、キシロースなどで、微生物を用いて生産することは相変わらずの条件である。しかし、生産物を現状で存在するポリエチレンやポリビニルアルコール、ポリフェノール樹脂、アラミド繊維などに加工して用いるのは、どうも生分解性の原則にそぐわないと感じた。言葉の遊びのように、グリーンプラ、バイオポリマー、エコ製品・・・というものが出回っているが、これらはみな生分解性ではないのか? おそらく、CO2削減(カーボンニュートラル)と多くが勘違いをしているのではないか?

つまり、例えバイオマス素材を原料に使っていても、ポリマー化の段階以降で、一般的な環境微生物による分解が難しくなるようでは、生分解性の意味が無いと考えています。
マイクロプラスチック汚染を無くしたいならば、そのためになる製品を生産するのが、本来の生分解性素材開発であり、現状にある便利で強くて壊れないプラスチックを、違う材料から作っても、本問題の解決にはなりません。

そこで、特に気になったのが「PABA;パラアミノ安息香酸」の生産とアラミド繊維化でした。PABAは、美容に詳しい人ならばすぐわかる、葉酸を生成する素材、そしてアンチエイジング、美白成分と呼ばれるものの一つです。微生物の代謝物なので大量摂取しない限り害はなく、当然生分解性です。しかし、これを原料にして従来の繊維のように合成、重合してしまうと、もう生分解性どころか、鉄よりも強い繊維強度を持つケプラーになってしまう。これは、地球温暖化対策としての石油資源使用削減であり、やはり生分解性とは意味が違う。そして、それがグリーン化学品として、乳酸やコハク酸の製造開発と同列で記述されてきている。

原材料が石油由来ではなくバイオマス由来であり、製造コストが見合ったところで、それで生分解性の意義が失われるとしたら、本来の環境問題解決の基本から外れることになります。
そこには、博士が最初に語った価格競争力の問題が、見事にすり替えられて存在しているということです。

バイオマス、プラスチックでヒットする商品類: 





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2018年08月15日

水乃博士の「水と緑の話」 砂漠化との闘い

砂漠化との闘い

砂漠とは、「乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動を含むさまざまな要素に起因する土地の劣化」と定義されている。
水乃博士は、水処理とともに緑の土地改良を進めることを願っており、砂漠化問題に対する現在の技術的な対策に興味がある。今回は、中国での砂漠化防止策の展開についての情報を見たので、そこを交えてのお話を進めたい。

まず基本的な知識として、なぜ砂漠化は進行するのだろうか。
@ 自然環境の変化: 降雨の減少、乾燥化。気象条件の変化。
A 森林伐採、放牧、農地化(焼き畑)などの人為的な土地の劣化。
B 塩害による土壌の劣化。灌漑が不十分な農作業の結果。
C 人口増加: 食糧生産のための農地拡大、住居土地の開発による緑地減少。
多くは、人為的な環境の悪化が砂漠化を招いているようです。
乾燥地域は地表面積の約41%を占めており、暮らす人々は20億人以上、その少なくとも90%は開発途上国の人々、砂漠化は食料の供給不安、水不足、貧困の原因になっている。さらに毎年6万km2の大きさで砂漠化が広がっているらしい。

2017年10月にCOP13があり、そこで中国が黄土高原の緑化に関する報告を行った。
中国は、世界の耕地のわずか7%で世界人口の5分の1に対する食料を生産しており、耕作地の65%が、中国北部および北西部の乾燥地域にある。黄土高原はこの乾燥地域の一部であり、その広さはフランスに相当。黄土は、数千年にわたり、ゴビ砂漠から風によって運ばれてきた風成堆積物である。黄土高原は中国文明の発祥の地であるが、その理由は、この高原土壌が非常に肥沃であり、耕作しやすいことにある。しかし、水と風による浸食を極端に受けやすく、何世紀にもわたる不適切な管理の結果、土地は痩せ、黄河には膨大な量の堆積物がもたらされた。黄土高原地域の3分の2以上が、土壌浸食を受けていると推定されている。1950年代後期に黄河で行われた観測では、最大で年間3ギガトンの堆積物が確認された。
土壌侵食.jpg
(中国甘粛省平涼の深刻な土壌浸食。Photo: Lulu Zhang / UNU)

こうした土壌浸食を防ぐため、中国政府は1950年代以降、階段耕作、砂防ダムの建設、植生復元(とくに植林)といったさまざまな土壌保全プログラムを実施してきた。森林の構築は、水による土壌浸食を最小限にするのみならず、中国北部における土地劣化対策を目的としたものであった。土地の劣化は農地面積を著しく減少させ、結果的に、持続可能な地域開発を脅かす。
1978年には、三北防護林プロジェクト(中国版「緑の長城」として知られる計画)が立ち上げられた。これは、三北地域(面積148万平方キロメートル)の森林被覆率を2050年までに最大15%拡大することを目指すものであった。しかし、土壌浸食と黄河の堆積物の量が低減された一方で、アジア第三の大河であるこの川の流量に著しい減少が見られた。
黄河流域では総取水量の80%を農業が占め、圧倒的最大の水消費要因となっていることから、流量の減少は中国の食料安全保障に影響を及ぼしかねない問題である。2000年から2010年の間における年間平均流量は、1950年から1999年までの流量平均値のわずか60%に過ぎなかった。植林もまた、重大な影響を及ぼしている。

1949年に6%であった黄土高原の森林被覆が、2010年には26%にまで増加した。森林は、他の土地よりも多くの水を蒸発散させるため、この増加は、中国北部の水資源の減少の大きな一因となった。そして、新たに構築された森林は水不足を背景として一般的により成長が遅く、病気にかかりやすい傾向を持ち、植生の安定性が低い。
干ばつや洪水の頻発および激化が予想されることから、成長社会における水需要の高まりが水と食料の安全保障を脅かし、中国の乾燥地域における社会的な脆弱性や不安定性を増大させる。水資源のさらなる減少を防ぐために、中国は森林・土地・水の統合管理を確立する必要がある。例えば、年間降水量が450ミリ未満の地域では、植林を行うべきではない。

干ばつの起こりやすい地域では、草地化がより適した解決策となる。その理由として、草地は枯渇した水資源の回復を確保しつつ、土壌を安定させる。水消費の少ない土着の樹種を取り入れることや、生育する木のまばらなサバンナ疎林のような森林を構築することによっても、干ばつの状態を緩和することができる。樹種の構成を変更したり、間伐(立木本数の調整)を通じて既存の植林地の森林構造を改めることにより、森林の安定性を高め、ひいては森林の水消費量の抑制につなげる。 
(黄土高原の緑化対策について 2017年10月)

さて、上記の砂漠化対策において大きな変化があったことは、やみくもな緑化、森林化の方法では広域環境の水収支バランスが崩れることがある、ということが分かったということ。もともと水資源の乏しいところに、水消費の大きな樹木が育ってきたら当然その蒸散量が増えて、下流地域に水が行きわたらなくなり、敷いては河川(黄河でさえも)の流水量が減るところまでくるということだ。

そこで水資源管理という考え方の下、森林、草原、農地、河川、地下水脈、などの統括管理を行うことは極めて有効な思考だろう。ここにさらに、有機物(木質資源、バイオマス)量のファクターを加えつつ、緑の資源活用までを炭酸ガス対策と兼ね合わせて思考すると、博士の理想とした総合的な自然資源活用にたどり着くような気がした。やはり、中国の水処理、水環境対策は興味深いものがある。

砂漠に関する商品類:




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