2020年05月21日

水乃博士の「水と緑の話」 足るを知る

「足るを知る」

中国の老子が唱えた「足るを知る」とは、
「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。
不失其所者久。死而不亡者壽。」
即ち、
「人を知る者は智、自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力有り、自らに勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、努めて行なう者は志有り。
その所を失わざる者は久し。
死して而も亡びざる者は命長し。」
と言う言葉の中にあり、
「ものごとに満足出来ず、更に更にと欲を膨らませる者は真の豊かな人間ではない。」 
ということ。


最近の人々の考え方に対して、この老子の言葉は極めて痛いところをついていると感じた。
人の欲望は限りなく広がり、その挙句地球上のすべてを支配しようとするあまり、
しっぺ返しに遭遇している状況が今なのではないか…と思う。
人類がその生活様式、活動形態、生物的な共存意識を変化させることが必要な時期が
おとずれたのではないだろうか。

posted by 水乃博士 at 10:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月13日

水乃博士の「水と緑の話」新型コロナ肺炎の症状緩和に有効な漢方薬:清肺湯

新型コロナ肺炎の症状緩和に有効な漢方薬:清肺湯

慢性的な呼吸器疾患や去痰などに用いられてきた漢方薬。明代の古典書「万病回春」に記載されている処方では、16種類の生薬により作られるとある。清肺湯の名称は、咳の原因を(漢方の概念としての)熱が肺に迫っているためと考え、「肺の熱を冷まして除く」の意味である。 (Wikipedia より)

という漢方薬がいわゆる呼吸器疾患向けに存在することを、水乃博士は知りました。
そこで、詳しくはどんな成分構成であり、薬理的な作用がどうあるのかなどを知りたくなり、以下のようなことがわかりましたので、お話しします。
但し、本薬はあくまでも肺炎症状の緩和が主体であり、特効薬的な急性の作用があるわけではないので、誤解はしないでください。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、清肺湯(せいはいという)、清肺解毒湯(せいはいげどくとう)と呼ぶ、漢方薬だが中国での処方ではない。
清肺排毒湯 = 麻杏甘石湯 + 五苓散 + 小柴胡湯 + 射干麻黄湯 
麻杏甘石湯 麻杏甘石湯は、麻黄、石膏、杏仁、甘草で構成されている。
現代薬理学的研究では、鎮咳、抗炎、抑菌、抗ウィルス、免疫調節等の作用があり、邪熱壅肺による肺炎、気管支炎、気管支喘息、蕁麻疹など蕁麻疹等にも応用されている。
五苓散 五苓散は、沢瀉、茯苓、茯苓、猪苓、白朮、桂枝で構成された利水滲湿剤の代表的な処方。
現代薬理学的研究では、血中コレステロールの調節作用があり、動脈硬化予防、肝保護作用、腎障害の治療に効果があるとしています。水液代謝を調整する働きがある。
小柴胡湯 小柴胡湯は、柴胡、黄芩、半夏、生姜、人参、甘草で構成され、表でもなく裏でもない場所(半表半裏)に入り込んだ邪を追い出す処方。
小柴胡湯は、柴胡、黄芩、半夏、生姜、人参、甘草で構成され、表でもなく裏でもない場所(半表半裏)に入り込んだ邪を追い出す処方。
射干麻黄湯
射干麻黄湯は小青竜湯の加減処方。
・小青竜湯:麻黄、生姜、細辛、五味子、半夏 + 桂枝、芍薬、甘草
・射干麻黄湯:麻黄、生姜、細辛、五味子、半夏 + 射干、紫菀、款冬花、大棗。
現代薬理学的研究では抗炎症作用、抗アレルギー作用、気管支拡張作用があり、気道炎症を抑えて、喘息用症状を緩和する。

新型コロナウイルス感染症においては、発熱、悪寒、咳の症状があり、これは表に寒邪、裏に内熱があり肺気が不利の状態であると捉え、麻杏石甘湯で清肺定喘し症状を緩和する。
多くの患者には心煩、口渇、嘔吐の症状があるため小柴胡湯を加えます。また、咳がひどい、喉が痛いなどの症状もよく見られるので、射干麻黄湯も加える。
また、新型コロナウイルスの中医学的認識は「湿毒」ですので、五苓散で滲湿利水、温陽化気し体内の水液代謝平衡を調整する。
清肺排毒湯は新型コロナウイルス感染症の症状を効果的に緩和するだけでなく、自分自身の免疫力をサポートするように考えられた処方。中医学的な見方では、感染時には多くは正気不足のためで邪に侵入されるとし、新型コロナウイルス感染症の場合は肺が主に内襲される。そのため基本病機は衛表不固、肺失宣粛、素体虚弱と考え、扶正袪邪を中心として治療にあたります。
 (タナココ blog参照);とても中薬に詳しくて嬉しい内容です。

ツムラ清肺湯:
ツムラが1986年に「ツムラ清肺湯エキス顆粒(医療用)」を発売。
ツムラのエキス剤「ツムラ清肺湯」の原生薬は以下の16種類]。
当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、桑白皮(ソウハクヒ)、陳皮(チンピ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、甘草(カンゾウ)、五味子(ゴミシ)+ 大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、竹茹(チクジョ)

清肺湯ダスモック:
小林製薬が2013年に広島地区で限定発売後、2014年に日本国内向けに発売を開始した清肺湯処方を基本とした顆粒薬。喫煙や排気ガスを原因とするせきや痰、慢性閉塞性肺疾患への対応も視野においた漢方薬として企画されたが、発売されると大気汚染に悩まされている中国都市部からの観光客から「神薬」の一つとして見いだされ、人気の土産品となった。
小林製薬のダスモックb(錠剤)で原生薬は以下の16種類で、分量は別として種類はツムラと同じ。
黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、桑白皮(ソウハクヒ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、竹筎(チクジョ)、茯苓(ブクリョウ)、当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
構成生薬:
原典「万病回春」には基本の生薬13種類に対して、症状に応じて細かな生薬の使用・不使用の指示がある。

どうも市販薬には、生薬の選抜に癖があるようだ。果たして、これらが呼吸器疾患の症状緩和以外に、抗ウィルス性や免疫調整に効果があるのかどうかは、長期的な観察が必要でありわからない状況です。

(清肺湯でヒットする商品類)





posted by 水乃博士 at 17:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月07日

水乃博士の「水と緑の話」 シンギュラリティ

シンギュラリティ(技術的特異点)

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、AIなどの技術が、自ら人間より賢い知能を生み出す事が可能になる時点を指す言葉です。米国の数学者ヴァーナー・ヴィンジにより最初に広められ、人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル博士も提唱する概念。「2029年にAIが人間並みの知能を備え、2045年に技術的特異点が来る」と提唱しており、この問題は2045年問題とよばれる。2045年問題の根拠となっている理論が、「収穫加速の法則」。収穫加速の法則とは、「技術進歩においてその性能が直線的ではなく、指数関数的に向上する」、技術的な進歩が起きると、その技術が次の進歩までの期間を短縮させ、ますますイノベーションが加速する、という概念。人間以上の知性をもった「強いAI」が登場し、人間では予測不可能な変化が起こると言われる。

…と言われても、用語が分かりにくくて水乃博士はいったい何を言い出すのか? といわれるので、以下に解説をします。
人工知能が人の能力を上回るときが来るとして、その能力の世代替わりにさらに機能的な効率が向上することを言っています。つまり指数的な変化; 1のべき乗は1のままですが、例えば1.05のべき乗は無限大に大きくなる可能性があります。そこが明らかになった時点を“シンギュラリティ(技術的特異点)”といいます。

では、“強いAI”とは何でしょう?適切にプログラムされた意識を持ち総合的な判断ができるAIです。
この言葉の説明も難しいですね。つまり、人間のような自意識を備え、全認知能力を必要とする作業も可能なAIだといえます。過去の経験に基づいて、学習しつつ、目前の事象に対処できるAIを“強いAI”と呼ぶのですが、SF映画ターミネーターの“スカイネット” のような世界はまだ実現していません。

対して“弱いAI”とは、与えられた仕事に対しては自動的に処理ができる一方で、プログラムされていない、想定外の状況への対応はできません。つまり、人間の知性の一部分のみを代替し、特定のタスクだけを処理するAIが弱いAIです。現在実用段階にあるAIは、いずれもこちらに該当します。
具体的には、囲碁で人類最高棋士に勝利した「アルファ碁」、スマホのカメラで撮った写真を認識し瞬時に情報を表示する「Google Lens」、自然言語処理を用いて言語を処理するiphone搭載の「Siri」など。

シンギュラリティによって我々の生活の変化で具体的にまず考えられるのが、雇用の変化。AIが人間より高い能力を持つようになれば、これまで人間が行っていた仕事の多くが、AIにとって代わられ、現在のような人々の働き方は成立しなくなる可能性がある。そして、AI(人工知能)シンギュラリティは人間の存在そのものを変えてしまうともいえます。

AI(人工知能)が担える仕事とは、AI(人工知能)が行える仕事の代表格が、単純作業系の業務です。同じ作業の繰り返しである工場のライン作業のほか、運転業務もAI(人工知能)による代替可能性が高い分野。
デスクワークでも、比較的単純な処理を行う事務や経理など。また、過去のデータに基づく判断が求められる人事もAI(人工知能)が業務の多くを行うかもしれません。弁護士の業務のうち、法律や過去の判例内容を調べ、それに基づいて的確な判断をすることはAI(人工知能)が得意とする部分です。

人間が担うべき仕事は、AI(人工知能)に比べ、人間に優位性のある仕事のひとつが、人と直接接する職種です。カウンセラーのように人との直接的なコミュニケーションが求められる仕事は、AI(人工知能)に取ってかわられる可能性が低い。知的生産性の高い仕事も、残る可能性が高いと考えられます。新たにものを創造するクリエイターなどの職種は、今後も人間が担うことになりそうです。
AIが生み出す仕事は、データ調査官はあらゆるデータを専門的に扱います。AIやIoT技術が発展することで、収集するデータは大幅に増え、大量のデータを解析し、クライアント企業に納品することを生業とします。AIビジネス開発マネージャーは、AIビジネスを推進する役割を担っています。セールスやマーケティング担当者と連携しながら、顧客の要望・課題に対してAIを導入していきます。また、チームビルディングやプロダクトマネジメントなども彼らの仕事に含まれています。AIやロボットが発達して多くの仕事を代替し、医療技術が発展することによって、人々はより健康に長生きすることができます。こうして平均寿命が伸び、健康な高齢者が増えた時、話し相手や一緒に歩いてくれる相手が必要となる、時間を共有しながら、他愛もない話をしてくれる“人”の存在はさらに価値を持つことになる。

参考文献:松尾豊(2015)『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』

 さて、以前にも水乃博士は、AIが人類の仕事を軽減し、奪うという可能性をブログ上でお話ししたことがありますが、今回の話はそれ以上すでにAIがディープラーニングを経て進化をしてきており、ヒトの方がその状況に合わせて変化を受け入れていかなくてはならない状況になってきたのだということを、シンギュラリティという表現から述べています。
AIに関しては、博士はかなりの興味をもって見てきており、また機会をみて“2045年問題”について、生物学的な見地(適者生存)からお話をしたいと思います。

人工知能、AIでにっとする商品類





posted by 水乃博士 at 16:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月12日

水乃博士の「水と緑の話」 野生動物を食べることの禁止

野生動物を食べることの禁止

新型コロナウィルスによる肺炎(COVID−19)の起源をめぐって、野生動物を摂食する習慣そのものが危険であるという認識に、ようやくたどり着いた、あるいは命が惜しくなったのか、野生動物摂食購買禁止令が2月に出た。

wKgACl5T5GuAPnP3AAAAAAAAAAA978.600x492野生動物取引禁止.jpgwKgACl5T5FaAQEq8AAAAAAAAAAA700.600x424野生禁止.jpg

<危険な病原体への感染リスクを高める野生動物の密猟や食用消費をやめさせるには、ウイルスに対する恐怖心が強まっている今こそが好機だ> という・・・
エボラ出血熱、炭そ菌、腺ペスト、HIV、SARS(重症急性呼吸器症候群)、そして新型コロナウイルス; これらの感染症はいずれも、「動物由来感染症」に分類される。動物由来感染症は種の境界を越えて感染した、免疫をもたない人間にとってはとりわけ危険だ。
中国・湖北省の武漢市を中心に感染が拡大したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)は、野生のコウモリが感染源である可能性が高いが、コウモリからヒトにウイルスを媒介した動物が何だったのかは、まだわかっていない。ウイルスを媒介したのが希少動物(たとえば、ほぼ同じウイルスが検出された絶滅危惧種の哺乳類センザンコウ)であれ、豚のようにより馴染みのある動物であれ、狭い空間に何種類もの動物を詰め込めば、それだけウイルスの感染経路が増え、突然変異を起こす可能性も高くなる。   
近年、ヒトがかかる新しい感染症の4分の3は、動物由来だ。人間は野生動物の生息地の奥深くに踏み込み、人間や家畜が未知で多様な野生動物と接触する機会も増えた。それらの動物が持つ細菌やウイルスとの接触もそれだけ増えたのだ。
ここまで、HP Newsweek日本版より

2019年12月31日に武漢市衛生健康委員会は「医療機関が診察した原因不明な肺炎患者の多くが、華南海鮮市場と何らかの関連性を持つことを発見した」と公表した。
これを受けて、翌2020年1月1日に武漢市江漢区市場監督管理局と武漢市江漢区衛生健康局は連名で公告を発表し、華南海鮮市場に対して衛生環境整備のために消毒作業を実施する名目で市場を休業するよう命じ、再開時期は別途通知するとした。

華南海鮮市場は5万平方メートルの総建築面積、市場内は東・西両区に分かれ、鮮魚を含む海産物、食肉、「野味」などの1000軒近い商店が軒を連ねている。問題の「野味」商店は西区の奥まった場所に十数軒が集中しており、東区にも数軒存在するが、彼らは各種の野生動物を販売して多くの顧客を集めている。

 1月中旬に中国のネット上に大きな赤い文字で「大衆畜牧野味」という表題が書かれた価格表で、印刷された商品名の横に価格が手書きされたものの写真が投稿されて、ネットユーザーの注目を集め、中国では大きな話題となった。

「野味」食材案内:  それでは「大衆畜牧業味」が販売していた商品を「大衆畜牧野味」と題された価格表には42種類の商品名が書かれていて、生きている動物をそのまま販売、「活殺現宰(その場で殺して食肉に加工する)」、急速冷凍、宅配、長距離託送代行などのサービスが可能となっていた。扱い商品を分類して具体的に示すと以下の通り。

 【鳥類】孔雀(クジャク)、大雁(ヒシクイ)、鴻雁(サツラガン)、火鶏(七面鳥)、闘鶏(シャモ)、野鶏(コウライキジ)、斑鳩(キジバト)、竹鶏(コジュケイ)、蔵鶏(チベットニワトリ)、線鶏(カポン=去勢されたニワトリ)、育檳鳥(アライソシギ)、珍珠鶏(ホロホロチョウ)、貴妃鶏(ゴイシチャボ)、鷓鴣(シャコ=キジ科の鳥)、土鴿(カワラバト)、鉄雀(スズメ)、白鵞(ハクチョウ)、香椿鳥(ライチョウ)、駝鳥(ダチョウ)、鴨豚(ノバリケン=鴨科の鳥)

 【獣類】山羊(野ヤギ)、野兎(野ウサギ)、竹鼠(タケネズミ)、麝香鼠(ジャコウネズミ)、青根貂(マスクラット=ネズミ科)、海狸鼠(ヌートリア)、袋鼠(カンガルー)、松鼠(リス)、狐狸(キツネ)、狼仔(オオカミの子)、果子狸(ハクビシン)、刺猬(ハリネズミ)、狗狸獾 ( アジアアナグマ)、猪狸獾(ブタアナグマ)、花猪(ハナイノシシ)、石頭猪(セキトウイノシシ)、狍子(ノロ=鹿科)、野猪(イノシシ)、豚鼠(テンジクネズミ)、荷蘭猪(テンジクネズミの別称)、蔵香猪(チベットミニブタ)、豪猪(ヤマアラシ)、湘猪(湖南ブタ)、香豚(ミニブタ)、氂牛(ヤク=ウシ科)、駱駝(ラクダ)、梅花鹿(ニホンジカ)、麂子(キョン=シカ科)、樹熊(タケネズミ)、鳥梢蛇(カサントウ=無毒の蛇)
 【水生類】娃娃魚(オオサンショウウオ)、鰐魚(ワニ)、山亀(ヤマのカメ)、山瑞甲魚(イボクビスッポン)、海蛇(ウミヘビ)、虎紋蛙(トラフガエル)、水貂(ミンク)
 
【虫類】蜈蚣(ムカデ)、金蝉(セミの幼虫)、蝎子(サソリ)、蝸牛(カタツムリ)、蜂蛹(ハチの子)、蚕蛹(カイコの子)、螞蚱(イナゴ)、木虫(カミキリムシの幼虫)、竹虫(竹象鼻虫の幼虫)

華南海鮮市場の「野味」が武漢肺炎の発生源であるという話は流言飛語と言って良いように思えてならないのだが…、真相の究明は前回のSARSでもうやむやのままで終わったが、今回のSARS-CoV-2でも前回と同様に終わるのか。それでは感染の解明に関する進歩は望めない。
HP現代ビジネス より

 野生動物類の摂食が、こうしたウィルス発生の起源となったであろうとしても、その感染における病原性の変異や異種生物間の移動の状況が科学的に解明できなければ、防止策にはたどり着かない。まずは、最初に示したような、野生動物は食べない、販売しないという原則を守れば、とりあえずは急な事態は防げるのかも知れない。
しかし、上記の食材のリストをみてみると、日本でも意外と平気で食べているものがあり、一概にゲテモノ食い、あるいは特殊な事情、祭りごとでの食習慣というのも正しい評価とは言えないと分かった。

水乃博士は、貴重な生物資源や自然動物の保護の観点からもこの問題をとらえており、ヒトだけのことで病気になるからその食習慣が悪い…という議論から外れるきらいがある。結局は、ヒトであろうと、他の動物であろうと、極端だがウィルスであろうと、生存競争の世界での自然淘汰を経て生きているわけであり、その環境下で適切な生存条件を得たものが生きながらえるのは摂理として仕方ないことだといえよう。
今回のCOVID-19に関しても、例え病症状の抑制薬が開発されたにしても、それが絶滅するというわけではなく、今後は人類とは共存する関係になると予想されることである。

肺炎、ウィルスでヒットする商品とは:




posted by 水乃博士 at 15:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月27日

水乃博士の「水と緑の話」 コウモリ宿主説

コロナウィルスとコウモリ宿主説

水乃博士が、新型コロナ型ウィルスの日本での蔓延状況をみて、しばらく中国への渡航ができない状況となった。そこで、落胆と共にしばらくこのウィルスについて、宿主、発生起源に対する調査をしたくなった。
前回のブログの中で、野生生物の宿主関与の可能性として、竹鼠について述べた。しかし、鼠はまだ中間媒介主に過ぎないので、さらに調べると比較的すぐに“キクガシラコウモリ”にたどり着いた。あのSARSも、またMERSやエボラ出血熱も、原因となるウィルスは、コウモリ類から発生していたという。コウモリは他の哺乳類動物に比べて、人獣に
共通のウィルスを持つ可能性が高い。

感染症というからには、ヒトに至るまでの感染経路があり、発症するまでにはそれなりのウィルスの変異や増殖といった過程がある。その最初のところにコウモリ類の存在の可能性がとても高いといわれている。そこで、コウモリと感染症について調べると、数多くの症例が出てきてしまい、とてもこのブログ1回では書ききれないので、“コウモリ論”は別の機会にして、これまでの著名な症例についてのみ今回はお話しします。
 コロナウィルスは、プラス鎖の1本鎖RNAウィルスで、コロナウィルス亜科が4属αからδまであり、内αとβがコウモリ由来とされている。

 SARS(重症急性呼吸器症候群)は、2002年11月に広東省で起こり、翌年香港で流行した。このSARSコロナウィルスは、当初動物市場のハクビシンから発見されたが、これは中間宿主であり、自然宿主(ウィルスの発生源となる寄主)ではなく、中国キクガシラコウモリから検出されたウィルスが92%の相同性(遺伝子配列の一致)があることから、このコウモリが自然宿主と考えられる。

 MERS(中東呼吸器症候群)は、2012年9月にサウジアラビアで起こり、SARSコロナウィルスに近縁のウィルスだった。初発症例の男性の自宅付近に生息した、エジプシャントゥームバットという食虫コウモリから相同性の高いウィルスが検出された。このコウモリから感染地域に多いヒトコブラクダを仲介してヒトに感染したとされている。

  マーブルグ病は、1967年にウガンダから欧州に輸出したアフリカミドリザルを仲介して起きた。フィロウィルス科マールブルグウィルスによる。このミドリザルは、ポリオワクチン製造用に日本でも多く輸入されていたが、そこでの発症は無かったとのこと。1999年になりコンゴで大流行が起こり、2000年にはアンゴラでの流行があった、致死率が極めて高い病気。このマーブルグ病は、エジプトルーセットオオコウモリが感染の自然宿主と考えられている。

 エボラ出血熱は、1976年にスーダンで起こり、チンパンジーからの感染といわれる。フィロウィルス科エボラウィルス属に属する、アフリカ由来のきわめて致命的な4種のウィルス株と、カニクイザルに致命的な1種がある。アフリカのオオコウモリやユビナガコウモリを自然宿主として、チンパンジー、カニクイザルを経てヒトに感染したといわれる。さらに1種の株はブタにも感染することがわかったが十分な解明がなされていない。
 
その他の感染例としては、コロナウィルス科ではなくパラミクソウイルス 科であるが、1998年にマレーシアで、オオコウモリを自然宿主にし、豚を仲介して人に移ったというニパウィルス。 馬を中間媒介した、1994年のオーストラリアのヘンドラウィルス感染症もオオコウモリが自然宿主だという。
(参考資料;businessinsider、吉川泰弘のHP、Wikipedia 等)

 こうしてみると、野生動物ばかりかコウモリと接触する可能性のある動物、人も含めて感染する可能性は否めない。コウモリをそのままに食用する(フルーツバットは美味いという)ことは無しとして、こうした中間宿主になりやすい動物に対するワクチンを準備する必要性があるということだろう。

(コウモリ、コロナでヒットする商品)




posted by 水乃博士 at 21:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする