2018年08月22日

水乃博士乃」「水と緑の話」 バイオマスプラスチックにフェノール?

バイオマスプラスチックにフェノール?

水乃博士は、生分解性材料の研究開発に6年間(農水省、山大、長大)をかけた時があったが、成果は乏しかった。理由は、ごく単純に石油製品との価格競争力が無いためだった。そのために、生分解性まがいのプラスチックや、誤った混合プラの使用、グリーン製品という表示の濫用、使用すべきでない分野への生分解性素材応用など、現在までかなりの苦渋の段階を経てきている。

近年、ようやくプラスチックストローの問題が波紋を投げかけ、マイクロプラスチック汚染の状況がひどいことに、多くの人が気付くことになった。そこで、また生分解性素材が見直されてきたのだが、この汚染を防止すべくバイオマスプラスチック材料というものに対して、何か求めている姿に違和感があるようだ。

*1.原料が不可食のバイオマス資源であること。 
*2.微生物による発酵、酵素反応、菌体活用などによる生産。 
*3.生産条件が、環境負荷の小さいこと。
*4.生産物が、生分解性であること。
*5.生産物は、簡易な操作により環境に影響のない物質になること。

原料が草木類、あるいは廃棄物の主に糖類、セルロース、キシロースなどで、微生物を用いて生産することは相変わらずの条件である。しかし、生産物を現状で存在するポリエチレンやポリビニルアルコール、ポリフェノール樹脂、アラミド繊維などに加工して用いるのは、どうも生分解性の原則にそぐわないと感じた。言葉の遊びのように、グリーンプラ、バイオポリマー、エコ製品・・・というものが出回っているが、これらはみな生分解性ではないのか? おそらく、CO2削減(カーボンニュートラル)と多くが勘違いをしているのではないか?

つまり、例えバイオマス素材を原料に使っていても、ポリマー化の段階以降で、一般的な環境微生物による分解が難しくなるようでは、生分解性の意味が無いと考えています。
マイクロプラスチック汚染を無くしたいならば、そのためになる製品を生産するのが、本来の生分解性素材開発であり、現状にある便利で強くて壊れないプラスチックを、違う材料から作っても、本問題の解決にはなりません。

そこで、特に気になったのが「PABA;パラアミノ安息香酸」の生産とアラミド繊維化でした。PABAは、美容に詳しい人ならばすぐわかる、葉酸を生成する素材、そしてアンチエイジング、美白成分と呼ばれるものの一つです。微生物の代謝物なので大量摂取しない限り害はなく、当然生分解性です。しかし、これを原料にして従来の繊維のように合成、重合してしまうと、もう生分解性どころか、鉄よりも強い繊維強度を持つケプラーになってしまう。これは、地球温暖化対策としての石油資源使用削減であり、やはり生分解性とは意味が違う。そして、それがグリーン化学品として、乳酸やコハク酸の製造開発と同列で記述されてきている。

原材料が石油由来ではなくバイオマス由来であり、製造コストが見合ったところで、それで生分解性の意義が失われるとしたら、本来の環境問題解決の基本から外れることになります。
そこには、博士が最初に語った価格競争力の問題が、見事にすり替えられて存在しているということです。

バイオマス、プラスチックでヒットする商品類: 





posted by 水乃博士 at 15:38| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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