2018年05月23日

水乃博士の「水と緑の話」 肌のエイジングケアについて

肌のエイジングケアの話
 
水乃博士が、ずっと興味を持っていたことの一つに、「肌の健康」というテーマがある。
特にエイジングケアという言葉に対して、女性がなぜにお金をつぎ込むのか・・・
ということをまじめに科学的な見地から、お話をしてみます。

スキンケアの基本は、“保湿”にあります。肌が、水分を保有することができなければ健康な状態とは言えません。そこでもやはり、肌の組織における水の存在が重要です。
 まず、肌、いわゆる表皮、真皮という構造を見てみましょう。
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この基質の部分が、水分を保有する成分であるコラーゲン、エラスチンに富んでいます。

次に、この肌を保護するものとして皮脂膜があります。汗腺から出る汗と皮脂腺から分泌される皮脂が混ざり合ってできる膜のこと、天然の保湿クリームとも言われています。肌の表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぐ。油膜の滑りによって、皮脂の中にあるスクワレンなどのはたらきによる肌表面の「なめらかさ」がもたらされます。皮脂膜が表皮常在菌によって分解されてできる脂肪酸によって、弱酸性を保ち、有害な雑菌や細菌の繁殖を防いでくれる効果もあります。
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NMF(天然保湿因子)は、Natural Moisturizing Factor(ナチュラル モイスチャライジング ファクター)「天然保湿因子」と呼ばれます。NMFは、ケラチノサイト(角化細胞)が角化する過程でたんぱく質からつくり出される成分です。全体の51%がアミノ酸とアミノ酸類で構成され、尿素も7%含まれています。NMFには、水分を吸着する特性があり、しなやかで弾力性のある角質層を作ります。

保湿の要ともいえる角質細胞間脂質は、角質層にある角質細胞と角質細胞の間を埋める脂質です。
角質の中の角質細胞と細胞間脂質の構造は「レンガ」と「セメント」の関係に似ています。
つまり、角質細胞同士を細胞間脂質が結びつけることで、角層内の水分蒸発を抑え、外部からの異物の侵入を防いでいる。角質細胞間脂質は、ケラチノサイト(角化細胞)が角化する過程でつくられる脂質です。全体の約50%がセラミドで構成されていて、遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールエステルなど複数の脂質で組成されています。角質細胞間脂質はマッチ棒のような形で、頭の部分が水分を抱え込む親水基(しんすいき)、棒の部分が油分となじみやすい親油基(しんゆき)です。
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角層内で、水分層と脂質の層が規則正しく交互に重なった2重層状の構造になることで、水分をしっかり挟み込んで保湿している。この2重構造をラメラ構造と言いますが、水分層と脂質層が交互にあることで、水を漏らさぬ、しなやかな防御壁となるだけではなく、温暖差や湿度、刺激から肌を守る役割を果たしている。その中心的な役割を果たしているのがセラミドで、この成分が注目されるのは、保湿と深く関わっているからです。

保湿と関係が深く、相互に影響を及ぼし合っているのが「バリア機能」と「ターンオーバー」です。
バリア機能は、先ほど説明した皮脂膜、NMF、細胞間脂質と表皮常在菌などが正しくはたらくことで保たれます。そして、バリア機能が十分にはたらいている時は、新陳代謝も正常であることが多く、ターンオーバーも適切な状態になっている可能性が高い。ターンオーバーは肌の角質細胞が自然にはがれて更新することで、20代で28日、30代で40日、40代で55日・・といわれています。
逆に、保湿された状態が崩れた場合、つまり肌が乾燥した場合は、バリア機能とターンオーバーにも悪影響を与えてしまう。つまり、お肌の保湿とバリア機能とターンオーバーは、お肌の表皮で相互のはたらきを理解しておくことが大切です。バリア機能が崩れた状態が続けば、真皮にも悪影響を与え、肌の老化も促進してしまいます。
保湿に大切なタイトジャンクションは、シールのようにつながったタンパク質でできている構造体で、細胞と細胞が密着するための接着装置のような機能があります。このタイトジャンクションもターンオーバーやバリア機能と関わっていること、つまり保湿と関わっています。さて、表皮のバリア機能の低下、ターンオーバーの遅れまたは過剰な速さなどで、保湿力が低下してしまい、それが定常化した状態が「乾燥肌」です。そして、ひどくなればインナードライ肌や敏感肌になります。

保湿のためには・・・
肌に水分を与える、肌の水分を保持する、肌の水分の蒸発を防ぐ、です。
「肌に水分を与える」のは、水分の多い化粧品、ローション系の基礎化粧品。
「肌の水分を保持する」のは、保湿成分。
表皮の角質細胞に元からあるNMF(天然保湿因子)や、細胞間脂質であるセラミドが保湿の役割を担っています。エイジングケア化粧品成分では、セラミド、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどが主な成分です。中でもヒト型セラミドは保湿力が高いことから、セラミド美容液やセラミドクリームは人気があります。乾燥肌対策の美容液やフェイスクリームには、セラミド配合のものが増えています。
エイジングケア化粧品にこうした成分が含まれるのは、「お肌の水分の保持」を意識してつくられるからです。
これらの保湿成分は、即効性があって、塗った後にはすぐに角質の水分含有量は増えることがわかっています。
「肌の水分の蒸発を防ぐ」のは、皮脂腺から排出される汗と混じってつくられる天然の保湿クリーム「皮脂膜」が担っています。しかし、加齢で皮脂膜が減ったり、空気が乾燥している場合には、油分を肌に補うことも大切です。エイジングケア化粧品の乳液や保湿クリームで油分を補うのはこのためです。シアバターやスクワラン、アルガンオイル、椿オイル、オリーブオイル、ホホバオイル、ワセリンなどは油性の代表的な成分で、エモリエントあるいは、オクルーシブと呼ばれることもあります。
これらの保湿成分は、水分の蒸発を防ぐのは即効的ですが、潤い感はその後少し時間がかかります。
油脂で角質表面を覆うことで密封効果がはたらき、少し時間が経ってから、お肌が保湿され柔らかさや滑らかさがもたらされるのです。ただし、保湿効果の持続は数時間なので、1日3〜4回程度塗ることが効果的です。
「水分を与える」、「保持する」、「蒸発を防ぐ」の3つが揃って、十分な保湿ができるのです。
スキンケア化粧品もエイジングケア化粧品も基本的な役割はこの点であり、
洗顔後に、「化粧水 → 美容液 → 乳液 → 保湿クリーム」の順番で使うのは、「水分を与え」、「保持し」、「蒸発を防ぐ」という保湿のプロセスそのものなのです。
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保湿成分の基礎知識
自分自身の肌による保湿は、皮脂膜、NMF(天然保湿因子)、角質細胞間脂質が担っています。
しかし、加齢をはじめとするさまざまな内部要因、紫外線ダメージの蓄積などによって、肌は乾燥しやすくなり、少しずつ、本来備わっていた「保湿力」が低下します。そこで、保湿成分を補うことになります、化粧品に含まれる保湿成分は、お肌に元からある成分に近いはたらきをします。
だから、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、セラミド、プラセンタなどのように、人の肌にある成分と同じものであることが多いのです。しかし、これらは、動物由来や植物由来の天然成分、または化学的に合成された合成成分です。化粧品にの多くの保湿成分は安全ですが、異物であることには変わりありません。だから、絶対に安心・安全かと言えば、そうとも言い切れないのです。
なお、保湿成分は、そのはたらきでいくつかに分類されます。
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(ナールス エージングケアアカデミーHP引用・参照) ; なかなか詳しくていい内容で、勉強になりました。

こうしてみると、この保湿に関する化粧品の成分は、親水性と疎水性の物質をいかにうまく混成して、肌に浸透させるのかを解析した結果といえます。化学としてみると、とても実践的で興味深い分野に違いないと思います。
次回時間があれば、個々の保湿成分に関して調べてみたいですね。
博士が化粧品を作るなんてことはありませんが、自分の肌のケアには結構気を使っているつもりです。
また、こうした知識が植物の乾燥防止や、地表面での水分保持、食品の鮮度保持といったテーマに役立つので、興味が尽きません。女性が多い化粧品関連のセミナーに対して興味が無いと言えば、嘘になりますが…

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posted by 水乃博士 at 18:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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