2018年04月20日

水乃博士の「水と緑の話」 ボロンの水処理(純水系)

ボロンの水処理について(1)

ようやく本来の仕事が落ち着いてきたところで、真摯に水処理の話を始めることにしよう。
超純水の処理にあたって最近は金属などの水質レベルは10pptになり、有機物(TOC)も5ppbが標準という。水乃博士が超純水をよく扱っていた15年ほど前では、その10倍以上の濃度の保証であった、・・・というよりも水質分析技術が向上したがために真の超純水水質の実力が表出したと考えたほうがいいのだろう。

さて、そんな中で、処理が難しいのが表題のボロンである。
ボロンと聞くと、ガラス原料、ホウ酸、中性子制御棒、金属表面加工における光沢処理や表面保護のための被膜形成などが大きな用途(ゴルフクラブ、釣り竿、食器など)なのだが、半導体製造の分野ではNPチャンネル形成における重要な調整イオンなのだ。多分、これでは何を言いたいのかわからないので話を簡単にすると、ボロンとリンとヒ素イオンを微量に混ぜることにより、電気的な流れを制御する回路を形成する。よって、ボロンがICの洗浄用超純水に含まれていると、この制御がうまくいかなくなる。

では、このボロンを除去する処理はどのようなものか。
まず、ボロンの性質を知っておこう。元素番号5、原子量10.81、モース硬度9.3(ダイヤの次)、自然にはほぼホウ酸体として存在する。

処理方法には、イオン吸着、凝集沈殿、膜分離、溶媒抽出などがあるが、純水処理では膜法とイオン交換、EDI法が用いられている。ホウ酸体ならばイオン的な排除が容易だが、微量(ppbレベル)に存在するボロン単体となると、ほとんど処理ができないといえる。そのために、逆浸透膜前にこれまでTOC分解などで有効であった紫外線酸化の酸化作用を生かし、ホウ酸体として処理を行っている(どこまでの酸化が可能かは不明)のが実態であろう。

なお、ボロン単体が純水系に入るとすると回収系排水からの流入と想定されるために、上記の紫外線分解や、過酸化水素分解などの直接酸化処理が膜処理前の処理として、またも重要視されてくることになるのだろう。
少し、専門的に過ぎたかもしれない、難しい処理に対して技術的な挑戦は続けていきたい。

次に機会があれば、ボロンの飲用水処理についての話をしたい。

ボロンでヒットする商品は;
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

鍵穴のクスリII 17ml KK-02 314255
価格:1773円(税込、送料無料) (2018/4/20時点)





posted by 水乃博士 at 11:53| Comment(0) | 技術、開発、水処理、放射性物質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

リンク集