2009年12月07日

水乃博士の「水と緑の話」超純水を殺菌したら低純水

 水乃博士が、超純水製造装置の研究をしていて、紫外線(UV)殺菌器の前後で大きく比抵抗値が下がるという、今では常識的なことを証明した報告をしたことがある。15MΩ-cmの超純水が、UV殺菌器の後では5MΩ-cmの低純水になった。
 理由を説明するために、まず”紫外線”について学んでおこう。
可視光線というのは、380nm から750nmまで、紫、青、緑、橙、黄、赤と虹の色どおりにその波長によって色が変わる。紫外線は、この紫よりも外側の380nm以下の波長の光をいう。そして、人の健康への影響からUV-A(400から315nm),UV-B(315から280nm), UV-C(280nm未満)と分ける。強い殺菌効果があるのはUV-Cであり、これを水銀ランプによって造る。細胞中のDNAの吸収スペクトルが250nm 付近にあり、そのために菌類の殺菌に役立つ。UV-A,Bは日焼けやビタミン-Dの形成に関与する。
 紫外線は、殺菌だけでなく有機物の分解にも機能する。水銀灯の殺菌器では254nm を中心に180から350nmの紫外線を放出する。そのために、もし純水中に有機物が存在すれば、分解して炭酸ガスや有機酸のような電解質になってしまう。もちろん菌類も有機物でできているので、これに加わる。そして、純水の比抵抗値を下げることになる。
 では、水乃博士はどのようにこの事実を証明したのか。超純水製造装置において、紫外線殺菌装置を設置し、その手前にインラインでIPA(イソプロパノール)を添加注入する。また、紫外線の照射量はランプの本数で調整した。IPAは水溶性が高く、半導体工業においても溶剤として汎用的な低級アルコールであり、比抵抗に影響しない。しかも分子量は60.1と小さい。これは、最初にUV実験用に水乃博士が用いただけでなく、その後逆浸透膜の基本性能試験の標準試験材料にもなっている。 それも、水乃博士のこういった研究が元になっているのだ。
 さて、この紫外線の純水への応用は、有機物の分解装置の開発、オゾン発生殺菌装置のシステム化への研究や水中の微量有機物の検出の研究へとつながっていった。
 超純水中に少しでも有機物があれば、紫外線の照射によって低純水になってしまうことがあるのだ。
そのために、紫外線装置の後には一般的にアニオン吸着樹脂が設置される。

こんな技術相談がありましたら
水と緑の相談は

http://www.geocities.jp/azconsultation2009/index.html
へどうぞ。

(水乃ことば)
水鏡私なし : 水と鏡は姿をそのままに映すので公平であること。
 (三国蜀志より)

炭酸水の特集です。
  


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posted by 水乃博士 at 15:19| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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