2018年08月28日

水乃博士の「水と緑の話」 上海動物園

上海動物園に行った

水乃博士は、疲れを癒すときや考え事があるとき、よく動物園や水族館に行き、ボーッと動物たちを眺めに行きます。上海動物園は、今居るところからバス1本で15分程度のところにあり、しかも2元(約35円)で行くことができる。入場料は、40元(約700円)と少し高いが、かなり広くて、多くの動物がおり、とても良いところです。
さて、なぜに動物園なのか・・・
写真1
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動物たちは人間の都合に合わせて飼育され、管理され、生かし、生かされている状況だ。我々の人間生活はどうなのだろうか。私たちは見えない檻の中で生活し、もがいているのかもしれない・・・と、動物園に行くと、博士は、檻の中の人間が動物たちに観察されているという逆の立場を考えてしまうのだ。だからといって、お互いに何とかしようとか、人間が霊長類だから支配するのだといった干渉する考えは、一切ない。人間だって動物の一種だと割り切っている。

話変わって、博士が集中して見る動物は、トラ、ライオン、チータやヒョウ、大鹿、キツネザル、ワラビー、大きな牛、などだ。特に虎、豹、ライオンが歩き回っていると、ずっと見ている時間が長くなる。動物の中でも、もっとも攻撃性の高い猫族の動物は、見ていて心が騒ぐものがあるようだ。しかし、今は夏真っ盛り、ぐったりと昼寝していてつまらない情景で、残念でした。
写真2
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パンダは中国でも人気の動物だが、どうも日本ほどに丁寧な扱いではない気がしている、灰黒色の熊猫が狭い檻の中に寝ているのは、少し悲しい。
動物たちは、保護されなくてはならない。人間が彼らの住処を略奪してきたのだから、生物種の保存維持という意味もあるが、本来は自由な広い環境の中で人間に依存しない生き方を保証しておくのが理想であろう。とすると、動物園とは一体何だろうか…
動物達を観察してその元気をもらって、また明日から環境の保全に向けた努力を続けよう。
写真3
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動物園でヒットする商品は:






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2018年08月22日

水乃博士乃」「水と緑の話」 バイオマスプラスチックにフェノール?

バイオマスプラスチックにフェノール?

水乃博士は、生分解性材料の研究開発に6年間(農水省、山大、長大)をかけた時があったが、成果は乏しかった。理由は、ごく単純に石油製品との価格競争力が無いためだった。そのために、生分解性まがいのプラスチックや、誤った混合プラの使用、グリーン製品という表示の濫用、使用すべきでない分野への生分解性素材応用など、現在までかなりの苦渋の段階を経てきている。

近年、ようやくプラスチックストローの問題が波紋を投げかけ、マイクロプラスチック汚染の状況がひどいことに、多くの人が気付くことになった。そこで、また生分解性素材が見直されてきたのだが、この汚染を防止すべくバイオマスプラスチック材料というものに対して、何か求めている姿に違和感があるようだ。

*1.原料が不可食のバイオマス資源であること。 
*2.微生物による発酵、酵素反応、菌体活用などによる生産。 
*3.生産条件が、環境負荷の小さいこと。
*4.生産物が、生分解性であること。
*5.生産物は、簡易な操作により環境に影響のない物質になること。

原料が草木類、あるいは廃棄物の主に糖類、セルロース、キシロースなどで、微生物を用いて生産することは相変わらずの条件である。しかし、生産物を現状で存在するポリエチレンやポリビニルアルコール、ポリフェノール樹脂、アラミド繊維などに加工して用いるのは、どうも生分解性の原則にそぐわないと感じた。言葉の遊びのように、グリーンプラ、バイオポリマー、エコ製品・・・というものが出回っているが、これらはみな生分解性ではないのか? おそらく、CO2削減(カーボンニュートラル)と多くが勘違いをしているのではないか?

つまり、例えバイオマス素材を原料に使っていても、ポリマー化の段階以降で、一般的な環境微生物による分解が難しくなるようでは、生分解性の意味が無いと考えています。
マイクロプラスチック汚染を無くしたいならば、そのためになる製品を生産するのが、本来の生分解性素材開発であり、現状にある便利で強くて壊れないプラスチックを、違う材料から作っても、本問題の解決にはなりません。

そこで、特に気になったのが「PABA;パラアミノ安息香酸」の生産とアラミド繊維化でした。PABAは、美容に詳しい人ならばすぐわかる、葉酸を生成する素材、そしてアンチエイジング、美白成分と呼ばれるものの一つです。微生物の代謝物なので大量摂取しない限り害はなく、当然生分解性です。しかし、これを原料にして従来の繊維のように合成、重合してしまうと、もう生分解性どころか、鉄よりも強い繊維強度を持つケプラーになってしまう。これは、地球温暖化対策としての石油資源使用削減であり、やはり生分解性とは意味が違う。そして、それがグリーン化学品として、乳酸やコハク酸の製造開発と同列で記述されてきている。

原材料が石油由来ではなくバイオマス由来であり、製造コストが見合ったところで、それで生分解性の意義が失われるとしたら、本来の環境問題解決の基本から外れることになります。
そこには、博士が最初に語った価格競争力の問題が、見事にすり替えられて存在しているということです。

バイオマス、プラスチックでヒットする商品類: 





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2018年08月15日

水乃博士の「水と緑の話」 台風の名前

台風の名前とは
2018年はどうやら台風の当たり年らしい。台風以前に、すでに熱帯低気圧の影響で大雨被害が出ているほどだ。これは、気候温暖化による異常気象といっていいのか、または太陽の黒点が増えたというよくわからない理由なのか。とにかく、水乃博士は航空機による出張が多いので、台風情報には敏感になっている。つい先日も、台風SHANSHAN(香港女性名)13号が、上海〜羽田間を通過したおかげで飛行機の到着時間がめちゃくちゃになった。というわけで、今回は「台風の名前」について話がしたい。

以下、気象庁のHPより一部抜粋させていただきます。
毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけています。台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていましたが、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本含む14カ国等が加盟)は、平成12年(2000年)から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)を付けることになりました。 平成12年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて、その後再び「ダムレイ」に戻ります。台風の年間発生数の平年値は25.6個ですので、おおむね5年間で台風の名前が一巡することになります。  なお、台風の名前は繰り返して使用されますが、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会加盟国からの要請を受けて、その名前を以後の台風に使用しないように変更することがあります。また、発達した熱帯低気圧が東経180度より東などの領域から北西太平洋または南シナ海の領域に移動して台風になった場合には、各領域を担当する気象機関によって既に付けられた名前を継続して使用します。このため、下の表に記されない名前が付けられた台風もあります。

台風の名前と意味
命名した国と地域 呼名 片仮名読み 意味
1 カンボジア Damrey ダムレイ 象
2 中国 Haikui ハイクイ イソギンチャク
3 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Kirogi キロギー がん(雁)
4 香港 Kai-tak カイタク 啓徳(旧空港名)
5 日本 Tembin テンビン てんびん座
6 ラオス Bolaven ボラヴェン 高原の名前
7 マカオ Sanba サンバ マカオの名所
8 マレーシア Jelawat ジェラワット 淡水魚の名前
9 ミクロネシア Ewiniar イーウィニャ 嵐の神
10 フィリピン Maliksi マリクシ 速い
11 韓国 Gaemi ケーミー あり(蟻)
12 タイ Prapiroon プラピルーン 雨の神
13 米国 Maria マリア 女性の名前
14 ベトナム Son-Tinh ソンティン ベトナム神話の山の神
15 カンボジア Ampil アンピル タマリンド
16 中国 Wukong ウーコン (孫)悟空
17 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Jongdari ジョンダリ ひばり
18 香港 Shanshan サンサン 少女の名前
19 日本 Yagi ヤギ やぎ座
20 ラオス Leepi リーピ ラオス南部の滝の名前
21 マカオ Bebinca バビンカ プリン
22 マレーシア Rumbia ルンビア サゴヤシ
23 ミクロネシア Soulik ソーリック 伝統的な部族長の称号
24 フィリピン Cimaron シマロン 野生の牛
25 韓国 Jebi チェービー つばめ(燕)
26 タイ Mangkhut マンクット マンゴスチン
27 米国 Barijat バリジャット 風や波の影響を受けた沿岸地域
28 ベトナム Trami チャーミー 花の名前
29 カンボジア Kong-rey コンレイ 伝説の少女の名前
30 中国 Yutu イートゥー 民話のうさぎ
31 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Toraji トラジー 桔梗
32 香港 Man-yi マンニィ 海峡(現在は貯水池)の名前
33 日本 Usagi ウサギ うさぎ座
34 ラオス Pabuk パブーク 淡水魚の名前
35 マカオ Wutip ウーティップ ちょう(蝶)
36 マレーシア Sepat セーパット 淡水魚の名前
37 ミクロネシア Mun ムーン 6月
38 フィリピン Danas ダナス 経験すること
39 韓国 Nari ナーリー 百合
40 タイ Wipha ウィパー 女性の名前
41 米国 Francisco フランシスコ 男性の名前
42 ベトナム Lekima レキマー 果物の名前
43 カンボジア Krosa クローサ 鶴
44 中国 Bailu バイルー 白鹿
45 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Podul ポードル やなぎ
46 香港 Lingling レンレン 少女の名前
47 日本 Kajiki カジキ かじき座
48 ラオス Faxai ファクサイ 女性の名前
49 マカオ Peipah ペイパー 魚の名前
50 マレーシア Tapah ターファー なまず
51 ミクロネシア Mitag ミートク 女性の名前
52 フィリピン Hagibis ハギビス すばやい
53 韓国 Neoguri ノグリー たぬき
54 タイ Bualoi ブアローイ お菓子の名前
55 米国 Matmo マットゥモ 大雨
56 ベトナム Halong ハーロン 湾の名前
57 カンボジア Nakri ナクリー 花の名前
58 中国 Fengshen フンシェン 風神
59 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Kalmaegi カルマエギ かもめ
60 香港 Fung-wong フォンウォン 山の名前(フェニックス)
61 日本 Kammuri カンムリ かんむり座
62 ラオス Phanfone ファンフォン 動物
63 マカオ Vongfong ヴォンフォン すずめ蜂
64 マレーシア Nuri ヌーリ オウム
65 ミクロネシア Sinlaku シンラコウ 伝説上の女神
66 フィリピン Hagupit ハグピート むち打つこと
67 韓国 Jangmi チャンミー ばら
68 タイ Mekkhala メーカラー 雷の天使
69 米国 Higos ヒーゴス いちじく
70 ベトナム Bavi バービー ベトナム北部の山の名前
71 カンボジア Maysak メイサーク 木の名前
72 中国 Haishen ハイシェン 海神
73 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Noul ノウル 夕焼け
74 香港 Dolphin ドルフィン 白いるか。香港を代表する動物の一つ。
75 日本 Kujira クジラ くじら座
76 ラオス Chan-hom チャンホン 木の名前
77 マカオ Linfa リンファ はす(蓮)
78 マレーシア Nangka ナンカー 果物の名前
79 ミクロネシア Saudel ソウデル 伝説上の首長の護衛兵
80 フィリピン Molave モラヴェ 木の名前
81 韓国 Goni コーニー 白鳥
82 タイ Atsani アッサニー 雷
83 米国 Etau アータウ 嵐雲
84 ベトナム Vamco ヴァムコー ベトナム南部の川の名前
85 カンボジア Krovanh クロヴァン 木の名前
86 中国 Dujuan ドゥージェン つつじ
87 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Surigae スリゲ 鷲の名前
88 香港 Choi-wan チョーイワン 彩雲
89 日本 Koguma コグマ コグマ座
90 ラオス Champi チャンパー 赤いジャスミン
91 マカオ In-fa インファ 花火
92 マレーシア Cempaka チャンパカ ハーブの名前
93 ミクロネシア Nepartak ニパルタック 有名な戦士の名前
94 フィリピン Lupit ルピート  冷酷な
95 韓国 Mirinae ミリネ 天の川
96 タイ Nida ニーダ 女性の名前
97 米国 Omais オーマイス 徘徊
98 ベトナム Conson コンソン 歴史的な観光地の名前
99 カンボジア Chanthu チャンスー 花の名前
100 中国 Dianmu ディアンムー 雷の母
101 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Mindulle ミンドゥル たんぽぽ
102 香港 Lionrock ライオンロック 山の名前
103 日本 Kompasu コンパス コンパス座
104 ラオス Namtheun ナムセーウン 川の名前
105 マカオ Malou マーロウ めのう(瑪瑙)
106 マレーシア Meranti ムーランティ 木の名前
107 ミクロネシア Rai ライ ヤップ島の石の貨幣
108 フィリピン Malakas マラカス 強い
109 韓国 Megi メーギー なまず
110 タイ Chaba チャバ ハイビスカス
111 米国 Aere アイレー 嵐
112 ベトナム Songda ソングダー 北西ベトナムにある川の名前
113 カンボジア Sarika サリカー さえずる鳥
114 中国 Haima ハイマー タツノオトシゴ
115 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Meari メアリー やまびこ
116 香港 Ma-on マーゴン 山の名前(馬の鞍)
117 日本 Tokage トカゲ とかげ座
118 ラオス Nock-ten ノックテン 鳥
119 マカオ Muifa ムイファー 梅の花
120 マレーシア Merbok マールボック 鳥の名前
121 ミクロネシア Nanmadol ナンマドル 有名な遺跡の名前
122 フィリピン Talas タラス 鋭さ
123 韓国 Noru ノルー のろじか(鹿)
124 タイ Kulap クラー ばら
125 米国 Roke ロウキー 男性の名前
126 ベトナム Sonca ソンカー さえずる鳥
127 カンボジア Nesat ネサット 漁師
128 中国 Haitang ハイタン 海棠
129 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Nalgae ナルガエ つばさ
130 香港 Banyan バンヤン 木の名前
131 日本 Hato ハト はと座
132 ラオス Pakhar パカー 淡水魚の名前
133 マカオ Sanvu サンヴー さんご(珊瑚)
134 マレーシア Mawar マーワー ばら
135 ミクロネシア Guchol グチョル うこん
136 フィリピン Talim タリム 鋭い刃先
137 韓国 Doksuri トクスリ わし(鷲)
138 タイ Khanun カーヌン 果物の名前、パラミツ
139 米国 Lan ラン 嵐
140 ベトナム Saola サオラー ベトナムレイヨウ


熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。 台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達します。しかし、移動する際に海面や地上との摩擦により絶えずエネルギーを失っており、仮にエネルギーの供給がなくなれば2〜3日で消滅してしまいます。また、日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになり、次第に台風本来の性質を失って「温帯低気圧」に変わります。あるいは、熱エネルギーの供給が少なくなり衰えて「熱帯低気圧」に変わることもあります。上陸した台風が急速に衰えるのは水蒸気の供給が絶たれ、さらに陸地の摩擦によりエネルギーが失われるからです。
と、気象庁さんのきわめてわかりやすい台風に関する解説がしてあった。


確か、昔は英米系の女性名が台風には主についていた記憶があるが、現在はなんだか統一性のない場当たり的な名前がついていることにかなりの違和感をもっていた。 ウコン、海棠、ノロジカ、タンポポ、つつじ、タヌキ、悟空、マンゴスチンなど・・・さっぱり脈絡ない名称ばかりなのだ。さらに、そのリストにいまだに米国の名称が残っていることにも異議をつけたくなる。しかしながら人名同様に、こうした名称とは意外な背景のあるものなのかもしれないので、味気ない台風XX号というよりは、ぜひ天気予報でもこの名前で呼んで、薀蓄を語るぐらいのことをしてほしいと思う。
博士は、こんな風にして台風情報にイライラすることもせず、「仕方ないなあ今度はヤギさんですか・・。」と帰りの便の2時間遅れにも耐えてきた???のでした。

台風でヒットする商品:




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水乃博士の「水と緑の話」 砂漠化との闘い

砂漠化との闘い

砂漠とは、「乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動を含むさまざまな要素に起因する土地の劣化」と定義されている。
水乃博士は、水処理とともに緑の土地改良を進めることを願っており、砂漠化問題に対する現在の技術的な対策に興味がある。今回は、中国での砂漠化防止策の展開についての情報を見たので、そこを交えてのお話を進めたい。

まず基本的な知識として、なぜ砂漠化は進行するのだろうか。
@ 自然環境の変化: 降雨の減少、乾燥化。気象条件の変化。
A 森林伐採、放牧、農地化(焼き畑)などの人為的な土地の劣化。
B 塩害による土壌の劣化。灌漑が不十分な農作業の結果。
C 人口増加: 食糧生産のための農地拡大、住居土地の開発による緑地減少。
多くは、人為的な環境の悪化が砂漠化を招いているようです。
乾燥地域は地表面積の約41%を占めており、暮らす人々は20億人以上、その少なくとも90%は開発途上国の人々、砂漠化は食料の供給不安、水不足、貧困の原因になっている。さらに毎年6万km2の大きさで砂漠化が広がっているらしい。

2017年10月にCOP13があり、そこで中国が黄土高原の緑化に関する報告を行った。
中国は、世界の耕地のわずか7%で世界人口の5分の1に対する食料を生産しており、耕作地の65%が、中国北部および北西部の乾燥地域にある。黄土高原はこの乾燥地域の一部であり、その広さはフランスに相当。黄土は、数千年にわたり、ゴビ砂漠から風によって運ばれてきた風成堆積物である。黄土高原は中国文明の発祥の地であるが、その理由は、この高原土壌が非常に肥沃であり、耕作しやすいことにある。しかし、水と風による浸食を極端に受けやすく、何世紀にもわたる不適切な管理の結果、土地は痩せ、黄河には膨大な量の堆積物がもたらされた。黄土高原地域の3分の2以上が、土壌浸食を受けていると推定されている。1950年代後期に黄河で行われた観測では、最大で年間3ギガトンの堆積物が確認された。
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(中国甘粛省平涼の深刻な土壌浸食。Photo: Lulu Zhang / UNU)

こうした土壌浸食を防ぐため、中国政府は1950年代以降、階段耕作、砂防ダムの建設、植生復元(とくに植林)といったさまざまな土壌保全プログラムを実施してきた。森林の構築は、水による土壌浸食を最小限にするのみならず、中国北部における土地劣化対策を目的としたものであった。土地の劣化は農地面積を著しく減少させ、結果的に、持続可能な地域開発を脅かす。
1978年には、三北防護林プロジェクト(中国版「緑の長城」として知られる計画)が立ち上げられた。これは、三北地域(面積148万平方キロメートル)の森林被覆率を2050年までに最大15%拡大することを目指すものであった。しかし、土壌浸食と黄河の堆積物の量が低減された一方で、アジア第三の大河であるこの川の流量に著しい減少が見られた。
黄河流域では総取水量の80%を農業が占め、圧倒的最大の水消費要因となっていることから、流量の減少は中国の食料安全保障に影響を及ぼしかねない問題である。2000年から2010年の間における年間平均流量は、1950年から1999年までの流量平均値のわずか60%に過ぎなかった。植林もまた、重大な影響を及ぼしている。

1949年に6%であった黄土高原の森林被覆が、2010年には26%にまで増加した。森林は、他の土地よりも多くの水を蒸発散させるため、この増加は、中国北部の水資源の減少の大きな一因となった。そして、新たに構築された森林は水不足を背景として一般的により成長が遅く、病気にかかりやすい傾向を持ち、植生の安定性が低い。
干ばつや洪水の頻発および激化が予想されることから、成長社会における水需要の高まりが水と食料の安全保障を脅かし、中国の乾燥地域における社会的な脆弱性や不安定性を増大させる。水資源のさらなる減少を防ぐために、中国は森林・土地・水の統合管理を確立する必要がある。例えば、年間降水量が450ミリ未満の地域では、植林を行うべきではない。

干ばつの起こりやすい地域では、草地化がより適した解決策となる。その理由として、草地は枯渇した水資源の回復を確保しつつ、土壌を安定させる。水消費の少ない土着の樹種を取り入れることや、生育する木のまばらなサバンナ疎林のような森林を構築することによっても、干ばつの状態を緩和することができる。樹種の構成を変更したり、間伐(立木本数の調整)を通じて既存の植林地の森林構造を改めることにより、森林の安定性を高め、ひいては森林の水消費量の抑制につなげる。 
(黄土高原の緑化対策について 2017年10月)

さて、上記の砂漠化対策において大きな変化があったことは、やみくもな緑化、森林化の方法では広域環境の水収支バランスが崩れることがある、ということが分かったということ。もともと水資源の乏しいところに、水消費の大きな樹木が育ってきたら当然その蒸散量が増えて、下流地域に水が行きわたらなくなり、敷いては河川(黄河でさえも)の流水量が減るところまでくるということだ。

そこで水資源管理という考え方の下、森林、草原、農地、河川、地下水脈、などの統括管理を行うことは極めて有効な思考だろう。ここにさらに、有機物(木質資源、バイオマス)量のファクターを加えつつ、緑の資源活用までを炭酸ガス対策と兼ね合わせて思考すると、博士の理想とした総合的な自然資源活用にたどり着くような気がした。やはり、中国の水処理、水環境対策は興味深いものがある。

砂漠に関する商品類:




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2018年08月07日

水乃博士の「水と緑の話」 EV向け全固体電池

EV向け全固体電池

全固体電池と聞いて、いったい何だろうか? と思う方が多いかもしれません。
では、リチウム電池(LIB)が発火した事故(ノートパソコン、スマホ、航空機内)を覚えていると思います。その原因は、LIBの電解質が有機溶媒であるからなのです。
電解質が固体セラミックになれば、不燃性、温度依存性、高電圧性、充放電性、漏出などの面で、大きな改善ができると考えられます。

水乃博士は、なぜか電池に興味があってこうした文献をよく読んでいます。電気エネルギーを簡単に保存して、後日に使えるという考え方が実に興味深いと感じます。
最近の自動車の開発は電気発動(EV)に向かっています。特に中国では、ガソリン車を無くすくらいの勢いで開発と普及に走っています。

しかし、一番の問題が電池;バッテリーにあります。
出力(電圧;V)ばかりか、容量(重量エネルギー密度;Wh/kg)、自己放電率、充放電特性などが指標になり、特に重量エネルギー密度は、バッテリーの重量、大きさに関わり、
EVの軽量化とそこに伴う燃費、充電後の走行距離に関係する問題です。
では、単純比較をしてみましょう。
これまでの乾電池NiCd電池は約80Wh/kg 程度、これが最近のLIBでは約250Wh/kg 、つまり3分の1の重量のバッテリーで済むところまで来ました。しかし、まだ安全性と耐久性の面では納得できるものとは言えないのです。
そこで、全固体電池です。トヨタ、東工大のグループが、LiGePSの開発をはじめに、LiSiPSClを開発し、約500Wh/kg まで来たそうです。
従来のEV1台で、最低4KWh、20時間以上の放電が可能という条件で合格であれば、大きな技術変革にすぐ結び付きそうですが、今後のEVでは自動運転制御、外部信号のやり取り、AI、デジタル表示、画面表示などの電力消費がさらに増大する見込みで、10KWh以上になるといわれます。しかし、かなり実現性の高い実用的な電池になりそうですね。
リチウム電池の材質.gif

次に、このバッテリーへの充電の問題があります。
最近は、多くの場所で充電ステーションを見かけるようになりました。
この充電という工程の課題は、早く短時間にできる(大量な入出力の特性)、繰り返しの充電性能があり、自然放電が少なく、発熱ロスが小さく済むという条件です。上記の新全固体電池は入出力の面で、従来LIBの2倍以上、さらに充電時間も分単位になる可能性が高い、そして繰り返し性もすでに1000回以上の確認が済んでいるという。
しかし、大量の電流を一気に流しつつ充電する機構の問題や、電極殊に負極(還元性)の材質に関しての伝導率など、実用化には乗り越える課題がまだありそうです。
固体電池.jpg

ここまで、EV車の普及に関してバッテリーの進化がキーポイントになっており、全固体化という素晴らしい材料が出てきたというお話をしました。使う側の技術進歩はいいのですが・・・ では、この電気エネルギーはどこから得るのでしょうか?

当然、発電所から電気は来ますので、原子力発電という高効率な手段が浮かんでくるでしょう。中国のEVの普及には、30基以上の原子力発電所が必要であるという試算がなされています。石油を使わない…だから電気を使う、そして原子力を使う…というのは、
水乃博士の思考には合いません。
どうか、太陽光利用、地熱利用、風力発電、潮流発電などの自然エネルギー活用に向かってほしいものです。微量なエネルギーを集めて大量に蓄積しておき、大容量化して用いるような発想が、このバッテリーの機能に期待したいところです。

参照:  Nature Energy 日本語サイト 次世代電池を牽引する、全固体電池開発。
リチウムイオン電池の豆知識 HP

リチウム電池、電気自動車でヒットした商品




posted by 水乃博士 at 16:47| Comment(0) | 技術、開発、水処理、放射性物質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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