2017年05月22日

水乃博士の「水と緑の話」カリウムの働きについて

カリウムの働きについて

水乃博士は、以前からカリウムの細胞における働きについて疑問があり、どうもパッとした説明がなされていないことに、気づいていた。
最近の食品の機能性についての研究から、このカリウムが浸透圧の調整機能という点から、神経作用や、血圧調整、老廃物の排泄といった重要な機能に関りながら、まだ十分な摂取量についての答えが出せない、つまりそれほどに出入り量がナトリウムとのバランスの中で不安定だとのことらしい。
そこで、博士が調べて理解した範囲でお話をしてみたい。

まず、カリウムの働きとは、
・細胞の浸透圧を維持し、水分の調節をする
・筋肉や神経の働きを正常に保つ
・食塩(塩化ナトリウム)を体外に排出する
・腎臓の老廃物の排泄を促す
そこで、カリウムが不足すると体の中の水分が細胞外や血液にしみだしてきて高血圧の原因となる。カリウムとナトリウムは細胞の水分のバランスを調節する働きをしている。

カリウムが不足すると起きる症状とは、
1.疲れやすい。 2.筋肉痛やけいれんになりやすい。 3.めまい。 4.便秘になりやすい
5.不整脈。 6.高血圧
細胞の外側に多いのがナトリウム、内側に多いのがカリウムということ。浸透圧の考え方で、ナトリウムを多くとると細胞外の濃度が上がり浸透圧が上がるため、水を細胞内から引っ張って高血圧になる。一定以上のカリウムがあると、腎臓でのナトリウムの排出を促進する。さらに、カリウムは腎臓の酵素に作用して、血管を広げる物質を分泌、これらの働きによって、血圧を下げる。   (HP:タイケンダンより)

より詳しく、某論文から解説を重ねると、
ヒトの体にはkg当たり3 gの塩:NaCLが含まれている。体重70 kgの人では210 gの塩が含まれていることになる。ナトリウムに換算すると83 gとなる。
 カリウムはkg当たり2 g含まれており、塩化カリウムに換算すると3.8 gとなるので体重70 kgの人では266 gの塩化カリウムが含まれていることになる。
ナトリウムとカリウムは体の中で拮抗的に働いている。ナトリウムは細胞外液で濃度が高く(カリウム濃度は低い)浸透圧を支配し、カリウムは細胞内液で濃度が高く(ナトリウム濃度は低い)浸透圧を支配している。ナトリウムとカリウムよって細胞内外の浸透圧が等しくバランスしているので、正常な細胞形状を維持でき、細胞は正常な機能を発揮できる。
 ナトリウムは細胞外液量を調節している。摂取されたナトリウムを排泄できないほど腎臓のナトリウム排泄機能が低下していると、細胞外液中のナトリウム濃度が上昇し、ナトリウム濃度を下げようと水が入って血液量が増えるので、血管内の圧力が上がり、血圧が高くなる。この状態が続くと高血圧症になる。
  他にナトリウムとカリウムは酸・塩基(アルカリ)平衡を維持する。体液の酸・塩基状態を表すpH値は非常に狭い範囲内に維持されており、そこからpH値が酸性側、アルカリ性側にずれると、身体に重要な障害が現れるので一定に維持することが重要となる。また、いずれも神経刺激を伝達させる。神経細胞内へこれらのイオンが出入りすることにより細胞膜を挟んで膜電位という電位差が生じて刺激が伝わっていく。筋肉運動が起こる仕組みである。カリウムは心筋の収縮運動を支配する機能を持っており、一定に維持されている細胞外液中のカリウム濃度が何らかの原因で高くなる現象が起こると、高カリウム血症となり心臓が停止することもあるので、腎臓機能との関係で摂り方には注意が必要だ。
 腎臓の糸球体でナトリウムとカリウムは血圧によりろ過されるが、ほとんどのナトリウムは再吸収されて、摂取量に見合った量だけ排泄される。このときカリウムはナトリウムの再吸収を抑制する働きがあるので、結果的にナトリウムが排出される。
(たばこ塩産業塩事業版2010.4.25塩・話・解・題61,橋本壽夫
「 ナトリウムとカリウムの働きと血圧に及ぼす影響」)

なお、カリウムが多く含まれる食品とは?
1.里芋やサツマイモなどのいも類
2.アボカドやバナナなどの果物
3.納豆や豆腐などの豆類

 さて、分かったような、分からないような説明だ。細胞内にはカリウムが多く、このカリウムが細胞内の水分量を調整している。細胞の外側にはナトリウムが多く、このナトリウムが細胞外の水分量を調整しており、細胞内の水分が減り細胞外の水分が多くなる;ナトリウムの量が多いと、血管での水分上昇つまり高血圧になる。しかしこれらは相対的なバランスといえる。

なお、カリウムも、ナトリウムも水溶性が高いうえに、他のイオン類との化合もするためにつねに補充;食品として摂取しつつ、そして保有量のバランスをとることが体内で行なわれている。
「日本人の食事摂取基準」の2010年版で、ナトリウムの1日当たり目標摂取量は男性で3.54 g(食塩換算で9.0 g)未満、女性で2.95 g(食塩で7.5 g)未満と定められた。カリウムについては男性で2.8-3.0 g(塩化カリウム換算で5.35-5.73 g)、女性で2.7-3.0 gとなっている。
というが、体内の調整機能はおそらく個人差とその体調に依存するために、こうした数字もあまりあてにならないと感じる。

現代の食事は塩NaCLに偏っているので、カリウムを含む食品を積極的にとり、体内の水バランスを調整できるようにしましょう・・・ということ。博士としては、物理的な浸透圧の話に持っていけないのが、もどかしい説明だ。

カリウムに関する商品類:




こんな、生活の科学に関するご相談がありましたら、水乃博士にどうぞ。
mazazaz88@gmail.com
AZUMA, または 東雅 
posted by 水乃博士 at 16:55| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

水乃博士の「水と緑の話」マンゴー大好き

マンゴー 大好き

水乃博士は、フィリピンに2年ほど駐在していたことがあって、その頃よりマンゴーが大好きだ。なんと、住んでいた家から50mほどのところにマンゴーの木が数本生えており、雨季になると枝にたわわなアップルマンゴーが実るのだ。もちろん、とり放題、食べ放題。
そのときのとり方は、バスケットボールを持ってきて、欲しい熟しつつあるマンゴーを打ち落とすという乱暴な収穫法。その木は、だれが面倒を見ているというわけでもなさそうで、果樹にしては3m以上にも成長していて、手が届くところには実が無いのだ。
 その頃知ったのが、青マンゴーの漬物や炒め物がうまいこと。
もちろん売れたマンゴーはそのままでうまいのだが、青いというよりも博士が間違って打ち落とした青マンゴーを、近所の子供たちはみな拾って家に持って帰るので、どうするのだ? と近くのメードに聞いた答えが、肉とスライスした青マンゴーをいためるとうまいという話。早速自宅で試したというわけだ。

 懐かしい話をするのではなくて、今日はマンゴーの栄養と健康食品としての効果の話をするのだった。

マンゴー(檬果、芒果、学名: Mangifera indica)は、ウルシ科マンゴー属の果樹、またその果実。菴羅(あんら)、菴摩羅(あんまら)ともいう。マンゴーの栽培は古く、紀元前のインドで始まっており、仏教では、聖なる樹とされ、ヒンドゥー教では、マンゴーは万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされている。 (Wikipedia)
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マンゴーには、美肌効果、がん予防、貧血予防、便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、 脳梗塞予防、心筋梗塞予防などの効果があるといわれる。
青いうちは、ビタミンCの含有量が多く、熟すほどにベータカロチンの量が増える。
マンゴーに多く含まれる栄養素について:
ビタミンAは、目に必要な栄養素といわれる栄養素。視覚や細胞分裂にかかわるほか、抗酸化作用で体内の酸化を防止します。
βカロテン(プロビタミンA) : 体内でビタミンAに変化してビタミンAの働きだけでなく、強い抗酸化物質で体が酸化されるのを防ぎ、生活習慣病を予防します。
「目の疲労」「ドライアイ」「皮膚の保湿」「花粉症の予防」「免疫」「老化防止」「癌を抑制」「虫歯菌の増殖を抑える」「動脈硬化」「心筋梗塞を予防」
葉酸: 赤血球を作るのを助けDNAの構成に関与する働きがあると確認されている。
「胎児神経管閉鎖障害発症予防」「妊婦の栄養補給」「授乳中のママ」「肌の弾力」・「肌のツヤ」「美肌への効果」
フラボノイド、エリオントリン:ポリフェノール最大の特徴はビタミンCやビタミンEなどとは異なり、細胞間の水溶性部分、脂溶性部分、細胞膜でも抗酸化効果を発揮。
「老化予防」「糖尿病」 体内活性化などを助ける働きを持つ。
(ビンゴマンゴー)

赤道近くの国々の人たちがマンゴーを毎日のように食べ、庭にも木を植えるのには、こうした健康上の理由もあるということだ。博士は、マンゴージュースが日本でも飲みたくなり、かなり多くの海外食品扱い店を回り、安くておいしいジュースを探したことがある。しかし、フィリピンで飲んだあの100%マンゴージュースは無く、大抵リンゴやパイナップルが混ざっているのだ。
やはり、マンゴーは日本では高級品なのかなあ。

水乃博士は、熱帯の果物が大好きで、マンゴー、パパイヤ、ドリアン、マンゴスチン、ドラゴンフルーツなど、楽しい話題がたくさんあります。
そんなお話もこれからしていきますね。
mazazaz88@gmail.com
Dr.Azuma,
東雅

マンゴーでヒットする商品群







posted by 水乃博士 at 14:12| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

水乃博士の「水と緑の話」 シェルオイルの水処理

シェルオイルのための水処理

水乃博士は、シェルオイル関連についてかなりの環境汚染、環境破壊を観てきており、その活用に関しては懐疑的だ。しかし、常に石油価格との折り合いから、その利用が計画されている。

まず、オイルシェルとはなんだろうか。
油母頁岩、油質頁岩、油頁岩は、ケロジェン(油母)を多く含む岩石であり、ここから化学処理により液状またはガス状炭化水素にできる。油母を熱分解して、合成石油に加工できて、オイルシェルガスも発生する。石油の代替エネルギーになるので、採掘費用、加工費用などの総合的な判断から、石油価格とのバランスによって、生産の調整が行なわれている。
オイルシェルの推定埋蔵量は、2.8〜3.3兆バレル。石油の1.4兆バレルなので埋蔵量はかなり多い。最大の埋蔵は、アメリカのグリーンリバー層(コロラド、ユタ州)といわれる。他、オーストラリア、エストニア、ヨルダン、ブラジル、中国、ロシアに多い。
但し、オイルシェル1トンから150Lのシェルオイルが採油される、ちなみに石炭ならば650L、といった生産経済性の問題がある。

 なお、シェルオイルは石油原油とは性質が異なり、オレフィン(不飽和炭化水素;化学原料になる)を多く含み粘度が高く、硫黄含量も9.5%と高い。石油は、硫黄0.5%程度。
よって、その精製にコストがかかる。
そして、さらに採掘の採算性と環境問題の発生が、大きな課題となっている。オイルやガスとして取り出す際に、地中燃焼法が行なわれると、有害物質ことに重金属、硫黄酸化物などが地中に廃水として残留し、地下水汚染や下流河川の水質汚濁につながっている。なお、採掘法の一環で、断層への加圧水の封入という方法があり、地質の改変や地震の発生といった問題もおこっている。
 
そこで、水処理に対する期待が高まっているのだが、生産コストとの兼ね合いが大きく高度な技術の適用は難しい状況である。1バレルのオイル生産には5バレルの水が必要となるといわれ、水不足の砂漠地帯においては汚水の回収再利用の技術が望まれている。
 やっと水処理にたどり着いた。

これまで、有害物質を含んだ廃水は地中深く油井に廃棄していたのだが、環境問題と水不足の面から、処理と再利用に期待がよせられている。その処理が、「随伴水処理」と呼ばれる石油類掘削廃液処理技術である。

水乃博士は、以前オーストラリアのシェルオイル掘削廃液の処理計画に携わった。そこで、経験したのが、廃水の原水水質がかなりに広範囲であり、一様な技術の適用では解決できないという実態であった。
油類の含有は当然のこととして、塩類TDSが約15万ppm(15%)内硬度が10万、Sr、Baなどの膜面閉塞につながる塩類が2000ppm、SSは500程度。場所によって、硫酸塩は大きく変動10〜200ppm。回収を考えるには、かなり厳しい条件である。

コストをかけずに、大量の処理を一括に行なうという命題の元で回収までが要請された際の計画を行なった。当初の処理量は、2万トン日。
* まず、排水原水を受水したところで、下層部5%、上層部5%の廃水を処理対象から排除した。オイル分が60%程度、塩類も10%が減量した(机上試験)。
* 硬度成分、硫酸塩、塩類を凝集条件に含めて共沈を考えての凝集沈殿の実施。鉄塩が原水には50ppm程度あったので、ポリ鉄の作用を期待しての条件を作り、ポリマーを選定した。硬度が20%以上減量したことに効果を見出した(机上試験)。
* 何とか脱塩用途に逆浸透膜を適用したいので、原水塩濃度TDSで50,000以下にする可能性を配慮。蒸留法とのハイブリッドを計画。
* 処理水の目標値を、明確にする。飲用水レベルにする必要性はない。TDS5000 でも良いはず。
* Ca, Baに注目した処理剤を適用する。凝集、分散作用ともに配慮。
* その用途を明確にした処理を提案する。
* 残留する廃棄物の処理も配慮する。

などの方針を立てた上で、処理ごとのマテリアルバランスを示しつつ、顧客と交渉した。
しかし、その答えはかなり厳しく、ランニングコスト1m3処理で1ドル(約110円)を条件にして欲しい、であった。熱エネルギーは無償でいいという条件が出てきたが、ポリマー、分散剤、膜処理費用が、足かせになる。

処理量も、3万トン日に増やすことになったので、m3コスト面ではやりやすくはなったが、
1ドルの壁は相当に厳しく、検討に時間がかかっていた。

計画に6か月程度が経過したところで、なんとアラブの原油価格引き下げがあり、このプロジェクトは採算割れのために無期延期という状態になった。
そのころは、まだ上記のような経済的な価格バランスの中で、シェルオイルは生産されているということが充分に理解できず、検討もおろそかな中、ひどく理不尽な気がしていた。
こうした技術が、すべて経済原則の中で決定されるということをまざまざと知ったのだが、検討してきたものが机上のものだから金銭的なロスがない、と思われるのも癪な話だ。
ヨーロッパ式に、計画検討の費用を最初から見積りとして請求しつつ、作業を進めたいと案じたが、日本企業相手では無理な話なのだろうな・・・

アメリカが、2017年からシェルオイルを化学産業むけに生産量を上げる話があったので、その汚染防止技術を少しだけ、話したくなりました。

こんなお話、または装置計画などがありましたら、水乃博士にご相談ください。
mazazaz88@gmail.com
Dr.Azuma,
東雅

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posted by 水乃博士 at 14:35| Comment(0) | 技術、開発、水処理、放射性物質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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