2018年04月18日

水乃博士の「水と緑の話」肉食と水環境問題

肉食と水環境問題

「水と緑の話」を再開するのに時間がかかってしまい、すみません。
水乃博士は、ようやく今週から足場を中国に移して活動を始めました。
先ずは中国の水をきれいにしたいと思います。

さて今回は、人間の食生活の見直しに関わる、肉食と水環境問題について語ることにします。
牛肉1kgを作るために必要な水は 15,415リットル (94% green, 4% blue, 3% grey)、
豚肉1sを作るために必要な水は  5,988リットル (82% green, 8% blue, 10% grey)
鶏肉1sを作るために必要な水は 4,325リットル( 82% green, 7% blue, 11% grey)
卵1パック(1.6kg)を作るために必要な水は 1,960リットル( 79% green, 7% blue, 13% grey)
牛乳1リットル作るために必要な水は 1,020リットル (85% green, 8% blue, 7% grey)
牛革1s(革製ランドセル1個くらい)を作るために必要な水は 17,093リットル (93% green, 4% blue, 3% grey)
トマト1sに必要な水は214リットル(50% green, 30% blue, 20% grey)、
米1sに必要な水は2,497 リットル(68% green, 20% blue, 11% grey)、
パン1sに必要な水は1,608 リットル(70% green, 19% blue, 11% grey)です。
(Hope for Animals HP 環境と畜産より)

WaterFootPrintの考え方において、消費される雨水(green water)、灌漑用水(blue water)と投入後、環境中に放出された窒素とリンに対するgray water(希釈水)という区分けがあります。
Greenは自然で手にできる水を使うケース、Blueは人為的な回収、水処理を経た水、Greyは廃水、廃液が出た場合にそれを自然に返すために使う水です。
じつは、このGrey部分が本当にグレーであり、私のような技術者にはとても困るのですが、上記のデータを信じて話を進めます。
栄養素の話は措いておいて、牛肉1kgに水15トンというのはショッキングな数字です。
トマトを野菜の代表と見たとして中ぐらいの3個で、ドラム缶1本の200リットル程度ならば、それでも多いと感じつつ、0.5%という歩留まり?(水保存効率という)ながら、環境的には許せる気がします。
豚肉、鶏肉が1kgに約5トン。ドラム缶1本200L の水がわずか40gの肉にしかならないと思うと、悲しくなります。
米や麦1kgでは、2トン程度の水使用とすると、これは結構効果的な使い方なのではないかと思います。
肉食を博士が否定するのではありません。水環境という面からみると、この使い方は極めて非効率的かつ、環境にやさしくないことと感じます。また、飢餓貧困の問題からみれば、牛肉1kgに使う水量があれば、一般的な穀物ならば10kg程度は生産できるという乱暴な試算になるので、菜食主義、豆類信奉、雑穀主食などが行われるのもよくわかります。
人類が他の動物種よりはるかに増えすぎて、食物生産を行う以上は何処かでこうした歪みが発生するのは致し方ないにせよ、水処理技術者の立場からみて何とかもっとうまい水の使い方を考慮できないか、あるいは肉食のあり方を感情や宗教ではなく、栄養学的、衛生学的な見地から見直すことが必要だと感じました。
環境面では、リン、窒素、硫黄、炭酸、塩類の循環の偏りということになるのですが、水処理だけでの解決策は、見出せそうにありません。

では、次にわかりやすい指標となった温室ガス排出量を食品別に示します。
1. 羊肉 39.3 kg
2. 牛肉 27.1kg
3. チーズ 13.5kg
4. 豚肉 12.1kg
5. 鮭(養殖) 11.9kg
6. 七面鳥肉 10.9kg
7. 鶏肉 6.9kg
8. ツナ缶 6.1kg
9. 卵 4.8kg
10. じゃがいも 2.9kg
11. 米 2.7kg
12. ピーナッツバター 2.5kg
13. ナッツ 2.3kg
14. ヨーグルト 2.2kg
15. ブロッコリー 2kg
豆腐 2kg
豆(乾燥) 2kg
16. 牛乳(2%脂肪分) 1.9kg
17. トマト 1.1kg
18. レンズ豆 0.9kg  (NY GREEN FASHION HPより)
羊肉が意外な数字ですが、チーズの排出ガス量があまりに多いことに驚きました。こんな数字を見ていたら、確かに、菜食と豆類食を進めたくなりますね。

ことをひっくり返すわけではありませんが、肉食は美食文化であり、おいしい食事のエッセンスには違いありません。ただあまりにも生産効率が悪い・・・という言葉を残しておきます。
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posted by 水乃博士 at 15:32| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日

水乃博士の「水と緑の話」 まだ挑戦します

水乃博士は、まだ挑戦をします

水乃博士は、来年には60歳になるということで、集大成をめざして、まだ挑戦をします。
海外の仕事を自由に行うために会社を替わり、 “世界の水をきれいにする”ための、行動を起こします。何を馬鹿なことを言っているのか?と思う方もいると思いますが、水乃博士が水処理エンジニアになったのは、小学生の頃から“世界環境をきれいにする”という夢を持っていたからなのです。だからといっていまさら中国に行って環境問題に対峙するというのは・・・ですが、まあこういうアホな技術者がいるということをお伝えします。

前回に、お話していたように昨年の後半はほぼ発電所にいて前社での開発業務のために上記の夢に動くことなく、口を封じていました。この2月にようやく異動できたので、こんな話をすることにしました。
目的地は、まずは中国経済中心地の上海です。ここから、環境の仕事を探しつつ、大きな工場の排水をきちんと処理する指導、コンサルを行なうことを進めます。さて、どんな仕事ができるのか、今からとても楽しみです。
さて、また水乃博士が再稼動します。

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posted by 水乃博士 at 17:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月09日

水乃博士の「水と緑の話」 発電所向け水処理装置開発

水乃博士の発電所向け水処理装置開発

しばらく水乃博士として筆をとらない日々が続きすみませんでした。
2017年5月からI社とともに、舞鶴の発電所で膜による水処理装置の開発をおこなっていました。詳しい内容は、「用水と廃水」3月号に実名で記述していますので、参照ください。
簡単に説明すると、従来から石炭排水は凝集沈澱法をとってきたが、博士の考えで、凝集剤無し、重力沈降、膜処理にて、極めて効果的な処理が可能になる方法を確立させた。
すでに、2件の特許を出願し終わり、論文書きも終えて、やっとほっとしたところです。
だからといって、ブログも書かないというのはおかしいと思われますが、ほかの特別な事情もあり(次回のブログ参照)、静かにして居りました。すみません・・・
装置.jpg

では、もう少し、この膜処理について話をしましょう。
石炭火力発電所で、石炭を港で受けてからボイラーで燃焼させるまでは、延々とコンベヤがこれを運びます。途中にサイロがあり、循環があり・・・実に約3kmに及ぶコンベヤに載るのです。そこで、粉炭がどうしても発生します。これが、いわゆる粉塵火災の原因になるために、常に温度を下げ、粉塵を洗うために洗浄水が使われます。この洗浄水が、かなりの量になり、常に回収再利用をしています。この再利用の処理が、なんと30年も前から凝集沈澱法をとってきたのです。
凝集とは、粒子の荷電性を調整しつつ絡めて、粒子に大きさを大きくして沈澱させる方法です。しかし、粉炭は大きく(0.5〜3μm粒子)、さらに石炭のみの単質粒子であるために、しっかり凝集する条件が整うにはもともと難しいものなのです。
そこで、膜処理を適用するのですが、これがMBR(膜法生物処理)のような処理を想像したらうまくいきません。物理的に強い膜、薬品洗浄に耐えられる膜、逆洗が可能な膜を使い、効果的な処理条件を確立させました。
ご興味がある方は、用水と廃水の3月号 をご覧ください。

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posted by 水乃博士 at 09:48| Comment(0) | 技術、開発、水処理、放射性物質 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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