2020年05月22日

水乃博士の「水と緑の話」 人類の起源と進化(その1)

人類の起源と進化(その1)

 人工知能の文献を読み漁っているうちに、シンギュラリティを知り、そこから次に人類の進化について学びたくなった。
そこで、人類の知能的な進化の在り方とその歴史的変遷をわかりやすくまとめることにした。
水乃博士の興味は、人類の脳容積の変化と生活様式、さらに他の動物との大脳皮質のニューロン数の比較論です。

人類は、ヒト科ヒト亜科ヒト族ヒト亜族ヒト属生物のうち、ホモ・サピエンス・サピエンスについて現生人類という。
ヒト属は、約200万年前にアフリカでアウストラロピテクスから分化し、ホモ・サピエンスは約40万年前に現れたという。
長らくの進化を経て、ヒト亜族がチンパンジー亜族から分化して、直立二足歩行をするところからがようやくヒト属
としての歴史に入るといわれる。
多くの人類史上での属種はあるが、そこはここでは気にせず、本論である脳容積についてみてみよう。

表1. ヒト科の脳容積
種類 分類 脳容積(ml)
オランウータン  ヒト科    411
ゴリラ     ヒト亜科   約500
チンパンジー   ヒト族    394
アウストラロピテクス・アフリカヌス ヒト亜族 441
ホモ・ハビリス  ヒト属    640
ホモ・エルガステル ヒト属 700、1100
ホモ・エレクトゥス ヒト属    1040
ホモ・ハイデルベルゲンシス ヒト属   1100、1400
ホモ・ネアンデルターレンシス ヒト属 1450
ホモ・サピエンス・サピエンス ヒト属 1350
       出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』; 人類の進化


脳の容積の増大というのは、直立歩行と生活様式の複雑化に伴い、生命維持機能の一環として必要な社会的な思考能力の進化の一つとみてよいのであろう。生活様式の進化とは、人類の高度な知的変化に伴うものであり、具体的には“言語の利用”、“道具の使用”、“火の使用”があげられる。そして、約5万年前から、ホモ・ハピリス、ホモ・ネアンデルターレンシスでのいわゆる“大躍進”といわれる文化的な進化があった。そこには、“抽象思考(概念的な思考方法)”、“計画性(ゴールを目指す思考)”、“発想力(新たな解決法の発見)”、“記号的な行動(儀式や偶像、宗教)”といった能力が含まれる。

 さて、こうした社会的な思考能力の進化が、必然的に脳の容積増大つまりは思考容量の増加につながる進化といえると想像するが、容積の増大が思考能力の増加と比例するとは単純には思えなかった。そこは、エレクトゥスの約30万年前からハイデルベルゲンシスの約約10万年前での増大化の停滞と、ネアンデルタール約5万年前からサピエンス約2万年前にかけての脳容量の減少をみてのことだ。

そこで、次に見たのが大脳皮質におけるニューロン数の動物間の比較です。

表2.大脳皮質のニューロンの総数
(哺乳類のみが大脳皮質を持っているので、このリストには哺乳類しかない。)
名前   大脳皮質のニューロン数   詳細  
マウス       4,000,000  ハツカネズミ属のハツカネズミ

ラット      18,000,000  クマネズミ属、種不明
 
ハリネズミ    24,000,000  ハリネズミ亜科、属種不明

オポッサム    27,000,000  オポッサム科、属種不明

イヌ       530,000,000  イエイヌ(学名:Canis lupus familiaris)

ネコ       250,000,000 ヨーロッパヤマネコ (学名:Felis catus)もしくはイエネコ(学名:Felis silvestris catus)

メガネザル    310,000,000  メガネザル属、種不明

リスザル     430,000,000  リスザル属、種不明

ブタ       425,000,000  学名:Sus scrofa

アライグマ    453,000,000

アカゲザル    480,000,000  アカゲザル

オマキザル    650,000,000  オマキザル属、種不明

ウマ      1,200,000,000 狭義の「ウマ」(学名:Equus ferus caballus)

オナガザル   2,500,000,000  オナガザル属、種不明

ゴリラ     4,300,000,000  ゴリラ、種不明

チンパンジー  6,200,000,000  チンパンジー属、種不明

オキゴンドウ  10,500,000,000  オキゴンドウ

アフリカゾウ  11,000,000,000  アフリカゾウ属、種不明

ナガスクジラ  15,000,000,000  ナガスクジラ

ヒト      21,000,000,000 平均的な成人にて、新皮質の神経細胞の平均数は、女性の脳は19億、男性の脳は23億との推計がある。

ヒレナガゴンドウ 37,200,000,000 ある種のイルカは、ヒトを含む哺乳動物の中で、最も多くの新皮ニューロンをもっているという推計。
  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』; 動物のニューロン数の一覧

 おそらく、このニューロン数が知能あるいは運動能力を含めた機能調整といった能力を指示する基準となりそうな気がする。
ゴンドウイルカが最大のニューロン数であったことは今回の議論からは外して、人類は約200億個のニューロンを保有しているとのことだ。
ちなみにゾウの脳の重さは約4,700g。マッコウクジラの脳は9,000gほどある。動物知性の指標として、全体重のうち脳の重さが占める割合を示す数値を「脳化指数」といい、ヒト0.89、イルカ0.64、チンパンジー0.3、ゾウ0.22、カラス0.16、イヌ0.14、ネコ0.12である。
(参考文献・HP/『 脳のひみつにせまる本(』ミネルヴァ書房)『、データでわかる人間のカラダ(』明治書院)『、ニュートン別冊 記憶力,直観力,発想力,天才脳など 脳力のしくみ(』ニュートンプレス))

 大脳には、前頭葉(運動、言語)、頭頂葉(感覚、読み、書き等)、側頭葉(聴覚)、後頭葉(視覚)の4つの部位があるので、それぞれの部位の大きさが動物ごと、そして進化の段階でのヒト属ごとに異なりつつ、その部位におけるニューロン数の変異があったと推察される。
ニューロンは、その環境からの刺激を感知し、それに応じて振る舞うことができるように動物の神経系に情報を伝達する細胞なので、この細胞こそが人が思考する際に活動する始原であるといえる。
では、このニューロン数量がいわゆるコンピュータでいうバイト数に相当して、知能的なレベルを測る基礎データとなるのかどうか?だが、
ここまでの考察では理解ができない。“知能”という言葉と“思考”や“発想”という言葉の間に大きな解離があるようだ。今回の考察(その1)は、ここまでとしておきたい。また水乃博士の気が向いたときに、次の話を続けたいと思う。

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posted by 水乃博士 at 13:23| Comment(0) | 水と緑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月21日

水乃博士の「水と緑の話」 足るを知る

「足るを知る」

中国の老子が唱えた「足るを知る」とは、
「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。
不失其所者久。死而不亡者壽。」
即ち、
「人を知る者は智、自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力有り、自らに勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、努めて行なう者は志有り。
その所を失わざる者は久し。
死して而も亡びざる者は命長し。」
と言う言葉の中にあり、
「ものごとに満足出来ず、更に更にと欲を膨らませる者は真の豊かな人間ではない。」 
ということ。


最近の人々の考え方に対して、この老子の言葉は極めて痛いところをついていると感じた。
人の欲望は限りなく広がり、その挙句地球上のすべてを支配しようとするあまり、
しっぺ返しに遭遇している状況が今なのではないか…と思う。
人類がその生活様式、活動形態、生物的な共存意識を変化させることが必要な時期が
おとずれたのではないだろうか。

posted by 水乃博士 at 10:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月13日

水乃博士の「水と緑の話」新型コロナ肺炎の症状緩和に有効な漢方薬:清肺湯

新型コロナ肺炎の症状緩和に有効な漢方薬:清肺湯

慢性的な呼吸器疾患や去痰などに用いられてきた漢方薬。明代の古典書「万病回春」に記載されている処方では、16種類の生薬により作られるとある。清肺湯の名称は、咳の原因を(漢方の概念としての)熱が肺に迫っているためと考え、「肺の熱を冷まして除く」の意味である。 (Wikipedia より)

という漢方薬がいわゆる呼吸器疾患向けに存在することを、水乃博士は知りました。
そこで、詳しくはどんな成分構成であり、薬理的な作用がどうあるのかなどを知りたくなり、以下のようなことがわかりましたので、お話しします。
但し、本薬はあくまでも肺炎症状の緩和が主体であり、特効薬的な急性の作用があるわけではないので、誤解はしないでください。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、清肺湯(せいはいという)、清肺解毒湯(せいはいげどくとう)と呼ぶ、漢方薬だが中国での処方ではない。
清肺排毒湯 = 麻杏甘石湯 + 五苓散 + 小柴胡湯 + 射干麻黄湯 
麻杏甘石湯 麻杏甘石湯は、麻黄、石膏、杏仁、甘草で構成されている。
現代薬理学的研究では、鎮咳、抗炎、抑菌、抗ウィルス、免疫調節等の作用があり、邪熱壅肺による肺炎、気管支炎、気管支喘息、蕁麻疹など蕁麻疹等にも応用されている。
五苓散 五苓散は、沢瀉、茯苓、茯苓、猪苓、白朮、桂枝で構成された利水滲湿剤の代表的な処方。
現代薬理学的研究では、血中コレステロールの調節作用があり、動脈硬化予防、肝保護作用、腎障害の治療に効果があるとしています。水液代謝を調整する働きがある。
小柴胡湯 小柴胡湯は、柴胡、黄芩、半夏、生姜、人参、甘草で構成され、表でもなく裏でもない場所(半表半裏)に入り込んだ邪を追い出す処方。
小柴胡湯は、柴胡、黄芩、半夏、生姜、人参、甘草で構成され、表でもなく裏でもない場所(半表半裏)に入り込んだ邪を追い出す処方。
射干麻黄湯
射干麻黄湯は小青竜湯の加減処方。
・小青竜湯:麻黄、生姜、細辛、五味子、半夏 + 桂枝、芍薬、甘草
・射干麻黄湯:麻黄、生姜、細辛、五味子、半夏 + 射干、紫菀、款冬花、大棗。
現代薬理学的研究では抗炎症作用、抗アレルギー作用、気管支拡張作用があり、気道炎症を抑えて、喘息用症状を緩和する。

新型コロナウイルス感染症においては、発熱、悪寒、咳の症状があり、これは表に寒邪、裏に内熱があり肺気が不利の状態であると捉え、麻杏石甘湯で清肺定喘し症状を緩和する。
多くの患者には心煩、口渇、嘔吐の症状があるため小柴胡湯を加えます。また、咳がひどい、喉が痛いなどの症状もよく見られるので、射干麻黄湯も加える。
また、新型コロナウイルスの中医学的認識は「湿毒」ですので、五苓散で滲湿利水、温陽化気し体内の水液代謝平衡を調整する。
清肺排毒湯は新型コロナウイルス感染症の症状を効果的に緩和するだけでなく、自分自身の免疫力をサポートするように考えられた処方。中医学的な見方では、感染時には多くは正気不足のためで邪に侵入されるとし、新型コロナウイルス感染症の場合は肺が主に内襲される。そのため基本病機は衛表不固、肺失宣粛、素体虚弱と考え、扶正袪邪を中心として治療にあたります。
 (タナココ blog参照);とても中薬に詳しくて嬉しい内容です。

ツムラ清肺湯:
ツムラが1986年に「ツムラ清肺湯エキス顆粒(医療用)」を発売。
ツムラのエキス剤「ツムラ清肺湯」の原生薬は以下の16種類]。
当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、桑白皮(ソウハクヒ)、陳皮(チンピ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、甘草(カンゾウ)、五味子(ゴミシ)+ 大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、竹茹(チクジョ)

清肺湯ダスモック:
小林製薬が2013年に広島地区で限定発売後、2014年に日本国内向けに発売を開始した清肺湯処方を基本とした顆粒薬。喫煙や排気ガスを原因とするせきや痰、慢性閉塞性肺疾患への対応も視野においた漢方薬として企画されたが、発売されると大気汚染に悩まされている中国都市部からの観光客から「神薬」の一つとして見いだされ、人気の土産品となった。
小林製薬のダスモックb(錠剤)で原生薬は以下の16種類で、分量は別として種類はツムラと同じ。
黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、桑白皮(ソウハクヒ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、竹筎(チクジョ)、茯苓(ブクリョウ)、当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
構成生薬:
原典「万病回春」には基本の生薬13種類に対して、症状に応じて細かな生薬の使用・不使用の指示がある。

どうも市販薬には、生薬の選抜に癖があるようだ。果たして、これらが呼吸器疾患の症状緩和以外に、抗ウィルス性や免疫調整に効果があるのかどうかは、長期的な観察が必要でありわからない状況です。

(清肺湯でヒットする商品類)





posted by 水乃博士 at 17:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする